ピックアップ GⅡ 松阪 09/13
一次予選のゴール後に意識喪失で落車した林雄一が一時心停止に陥り、中村浩士は救急搬送までの間、救命に尽力した。
「ひとりも欠くことのできない仲間ですし、(競輪界の)大きな船に乗っている船員ですから。なんとか助かってくれたらっていう思いだった」と、林への思いを語った。
入院先の病院で会話もできるようになり、林は快方に向かっている。9着だった中村だが、大切なものを守り、ひとりの人間として大仕事をやってのけた。
近況、積極策で白星を積み重ねていた河合佑弥は、初ビッグの今シリーズを6着。しかしながら、前を向く。
「自分の速度域を上げていかないと、毎回こんなんで終わってしまう。周りの強さをすごく感じたし、それがわかって良かった。これをマイナスにとらえるんじゃなくて、帰ったら(練習で)こうしたいとかがあるので、しっかりとレベルアップしたい」
デビュー20年目にしてビッグ出場をかなえた庄子信弘は、「少しでも爪あとを残せた」と、最終日に目を引く立ち回りで勝ち星を飾った。
「みんな強いんで、自分は全然足りない。それでも(ビッグに)来られていい刺激になった。1着が取れてうれしいし、また(ビッグに)出たい」
8月のオールスターでは着の野口裕史は、2度目のビッグを91着。シリーズの4日間すべて最終バックを取る積極策を見せて、風が舞う最終日は逃げ切りでビッグ初勝利を飾った。
「1着はうれしいですね。今シリーズは開催前に整体にいって、体を整えてバランスとかのアドバイスをもらってきた。そしたら2日目くらいから、ペダルに対する足の当たり方がいいなって感じだった。風が吹いていた方が自分は着がいい。だから最終日は成績が良かったけど、風が吹いた日限定にならないようにしたい」
前回のオールスターが初ビッグだった宮本隼輔は、1着。一次予選敗退のオールスターとは違い準決進出を果たしたものの、客観的に現状を見つめる。
「(2日目の二次予選Aは)なにをするにも迷いながらだった。自分でもなにがしたいのかよくわからなかった。レース内容を求めたところで、ない脚力がついてくるわけじゃない。いまの脚でどこまでできるかっていう方が、自転車に乗ってても楽しい。魅せるレースは強くないとできない。自分としては、まだ勉強の途中ですね」