ピックアップ GⅢ 玉野 03/05
先月の奈良記念に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため無観客で行われた玉野競輪開設69周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」。写真判定の末、新山響平と郡司浩平が同着優勝を果たし、伝統の本社杯、日刊プロスポーツ新聞社杯「若鷲賞」・115回生ルーキーチャンピオンレースでは、朝倉智仁が115期の頂点に輝いた。
3カ月間のあっ旋停止期間を経て、今年一場所目の立川記念で復帰した山田庸平は、今シリーズ初日と最終日で2勝をマーク。勝ち上がりに失敗した準決勝では、「正直、あんまり良くないです」と話していたが、最終日には別線を一蹴し、手応えを感じていた。
「(最終日は)ウィナーズカップに向けて、位置にはこだわらず、力勝負がしたいと思っていました。今日は良かったんじゃないですかね。今使っている自転車は軽いので、踏み出しは良いけど、前に出切ってから流れる感じがあまりしない。でもそこは、自転車を変えるよりも脚力を付けていった方が良い感じがします。練習ではスピードとかタイムも出てきているんですけど、レースでそれを生かせてなくて、清水(裕友)とか新山(響平)とか、力が抜けているメンバーを相手に何もできてないのが現状なので、ウィナーズカップでしっかり動いて結果を出したいです。それが自信になると思うので」
今シリーズから新車を導入した原田研太朗だったが、2日目を終えてフレームを変更。前回まで使っていた自転車に戻して、後半戦は連勝を果たした。
「初日、2日目に新車を試して7着、7着で、フレームを戻してダメならヘコみますけど、何とか立て直せました。今回、試した新車はちょっと堅かったですね。2日目は脚を使ってから、もう一度踏んだけど、立ち上げがキツい感じでした。(3日目から使った)今までのフレームは二の脚、三の脚が使えるから幅があります。(今節の初日特選みたいに)ウィナーズカップでも、番手や3番手を回る機会があると思うので、良い悪いを確認できたのは大きいです」
地元の柏野智典は、準決勝の4着をこう振り返る。
「半年前より脚自体は上がっているんですけどね。落車とか体調を崩したりして、体のどこかしらに違和感がある感じがします。やっぱり清水(裕友)や(原田)研太朗に付け切るには、自分が一番良い状態じゃないとって思っているので。ただ連れて行ってもらうがキツい時もあるし、レースに参加できてない感じがして…。準決勝も結果だけを見れば4着で惜しかったって思われますけど、自分の中では全然(決勝が)遠いなって感じました」
落車もあって近況は、波に乗り切れてない黒沢征治だが、今回は収穫のあったシリーズとなった。
「直接話して聞いたわけじゃないですけど、清水(裕友)さんや郡司(浩平)さんのフォームを見て、いろいろと感じるところがありました。周りにも指摘されいたんですけど、自分の今までのフォームと理想が違い過ぎていたので、2人のフォームを参考にして乗り方を変えたら、(最終日が)4日間の中で一番良くなりました。まだゴール前にバタついてしまうけど、途中まではしっかりとフォームを意識して走れました。次の平塚もしっかり先行してウィナーズカップまでに新しい乗り方をモノにしたい」
若鷲賞は、参戦したS級の3人で確定板を独占。優勝した朝倉智仁は、特別な思いを胸にこのレースに臨んでいた。
「同期で同門の遠藤(洋希)さんが落車で入院していて、まだ意識が戻らないんですけど、遠藤さんは一番ルーキーチャンピオンのことを考えていたし、ルーキーチャンピオンは僕の夢でもあって、遠藤さんの夢でもあったので、優勝できて本当に良かったです。S級でやっと落ち着いて走れるようになってきたので、このまま調子を上げていきたいですね。4月の高知記念が初めての記念開催なので、自分の力を出し切りたいです。G1で戦うには、まだまだ実力が足りないので、もっともっと脚をつけていきたいです」