全日本選抜覇者・清水裕が主役
昨年はG1大会で4回決勝に乗るもダービー、競輪祭で準V。あと一歩のところで優勝に手が届かなかった清水裕友だが、今年はG1第1戦の全日本選抜でいきなり優勝を達成。逃げた松浦悠の番手から自力に転じて平原康、山田英らの追撃を振り切り、タイトルホルダーの仲間入りを果たした。昨年の競輪祭での松浦に続き中国勢がG1を連覇していて、中四国勢の層の厚さを証明する結果となった。G1大会で存在感を示しているのなら記念開催で主役を譲る訳にはいかない。岩津裕介、柏野智典、取鳥雄吾ら地元勢や原田研太朗との連係から機動力を遺憾なく発揮してS班の貫録を示す。地元の重鎮・岩津はレース巧者らしく安定プレーを演じている。1月大宮記念着、全日本選抜着、2月松山着と高いレベルで成績をまとめている。当所記念は59、61、63周年と3Vを達成しているものの、その後は地元選手から優勝者は出ていない。そろそろ…という気持ちは強いはずだ。今年の原田は絶好調。ここまで17走して3V含む12勝を挙げている。全日本選抜は準決5着で優参は成らなかったが、先行して直線の半ばまで先頭に立っていた競走内容は良かった。
新S班の郡司浩平は初戦の1月立川記念の準決で落車。鎖骨を骨折してしまい多難なスタートと思われたが、全日本選抜は着と決勝に進出。連日素晴らしいスピードの切れを披露していて、鎖骨骨折の影響を全く感じさせなかった。続く2月静岡記念も大事に行き過ぎてVは逃したものの動きも申し分なく、有力な優勝候補の一人だ。南関勢では岩本俊介も好スピードを披露していて、全日本選抜では一次予選、二次予選と連勝。準決で郡司と連係した時は前で戦っていて、両者の前後は流動的だろう。
グランプリ2019チャンプの佐藤慎太郎が束ねる北日本勢も好勝負が見込める。佐藤は相変わらず安定感抜群で、1月平記念着、全日本選抜着。堅実な捌き、的確なコース取りが冴え渡っている。先導役を務める新山響平は、ナショナルチームの練習で自慢のスピードに磨きがかかり、全日本選抜では着と3連対。差し脚好調な大槻寛徳も全日本選抜では着と好走している。新山が主導権を握れば北日本勢から優勝者が出ても不思議ではない。
1月平記念の準決で落車した浅井康太だが立ち直り急だ。全日本選抜では敗者戦ながら2勝を挙げると、2月静岡記念では見事に完全Vを達成。初日特選、決勝はまくって快勝していて動きは軽快。吉田敏洋も全日本選抜では二次予選でまくり勝ちするなど自力攻撃が冴えている。どちらが前で戦っても好勝負になるだけに、中部勢の動向には注意したい。