ピックアップ GⅢ 玉野 03/26
ナショナルチームに所属する山崎賢人、太田海也の両名が久しぶりに競輪に参戦。ネーションズカップで落車した山崎は本調子になかったが、太田は初の地元記念で決勝に進出した。競輪の経験の浅さこそ露呈したが、ネーションズカップで計4つのメダルを獲得したポテンシャルの高さは本物。競輪だけでなく、1年後のパリ五輪を目指す戦いからも目が離せない。
渡邉雅也のハイライトは3日目。練習仲間の長田龍拳との連係から1着をつかみ、長田を3着に残した。父譲りの追い込みセンスの高さを感じさせた。
「(長田)龍拳とは初めての連係で、番手に付くこと自体、深谷(知広)さんに付いて以来2回目でした。父(渡邉晴智)みたいにバシッと止める技術はないので、車間を切って合わせて踏んで止めるような感じで。ヨコっていうよりは、タテで止めた感じですね。気持ち的にも、練習仲間の龍拳と一緒に特秀に行けたのが嬉しい。お互いに今は調子が悪いんですけど、これをきっかけにもっと良くなるように頑張っていきたい」
隅田洋介は生まれ故郷の岡山に移籍し、初めて迎えた地元記念がここだった。が、結果は二次予選敗退。残りの2日も2、3着と未勝利で終え、満足のいく4日間とはいかなかった。
「正直、2日目の負けで気持ちが…。今年はずっと勝負駆けだった。ダービーも出られそうだったし、ここの初日特選にも乗れそうだった。気持ちが持たないっすよね。まだ注文してる新車が届かないから昔のフレームを引っ張り出したり、そういうところも整わなかった。ここが終わったらしばらくF1が続く。次に出られる特別競輪に向けてやっていきたい」
初めての記念でシリーズ3勝を挙げた山田雄大。新人離れした落ち着きのある組み立てと、破壊力抜群のまくりで存在感を放った。まだまだ成長途中の22歳。まくりにばかり頼ってもいられない。
「9車は初めてだったんですけど、動きが多い分いいのかなって。自分に合っている気がします。でも、次の記念のあっせんが入ってないので、また7車立てに戻っちゃうんですよね。そこはまた対応していきたい。今はまくり中心ですけど、何でもできるようになっていきたい。S級の最初の方は、先行しようと思って組み立ててたけど、脚がなくて前に出切れなかった。それもあって今はまくり一辺倒になってる。それじゃ駄目だって分かってるので、先行も出来るような脚を付けていきたい」
全日本選抜を含めて今年初めて決勝を外した新田祐大だが、最終日には前々に踏み、シビアに地元勢を分断してシリーズを白星で締めた。爆発的なスピードでねじ伏せるだけの新田はもういない。S半として人気に応えるべく、とにかく前々へと攻め抜く。
「細切れ戦なので次々に動いて行く流れになると思っていました。(地元を分断したが)あそこを狙っていたわけじゃなくて、前々にって思っていました。自分の中では結果論としてそういう動きになっている。周りからはトリッキーな動きをしてるとか、勝負権のある位置に必ずいるよねとかって言ってもらえるんですけど、自分としては一戦一戦勝負し切った結果が、たまたまそういう動きになっている。力を出して勝ちたいと思ってますし、今後も良いレースをしていきたい」