南関連係で小原太樹がV
「(渡邉)雄太とは何回も連係して何回も連れてってもらって信頼してるんで」
準決勝を渡邉雄太と2人で勝ち上がった後にこう語った小原太樹が、渡邉とのシリーズ3度目の連係を実らせてG3Vをつかみ取った。
太田海也と、森田優弥の両ラインは二段駆け布陣。後ろ攻めから突っ張られたとしても、南関勢にチャンスは必ず来る。渡邉がそれを逃すことはないと、小原はひたすら信じて待った。
「基本的に組み立てはいつもお任せしてるんで。後ろなら一回動いて、チャンスのあるところから仕掛けてくれると思ってました」
太田と森田で踏み合って、渡邉が狙いすましたように打鍾過ぎ4コーナーから仕掛ける。阿吽の呼吸で踏み出しには付け切っても、最終バックでは松浦悠士と一瞬併走に。スピードの違いでそれをしのいでも、ゴールするまで一瞬足りとも気は抜けなかった。
「(まくりの)出も良かったけど、松浦と併走になりそうだった。そこを乗り越えればチャンスだとは思った。けど、番手を取られてしまったら雄太が差されるとか、迷惑をかけることになるからそこだけは死守しようと。乗り越えても、タテ脚のある選手ばかりだしまだ分からなかった。あそこまで頑張ってくれたから、(優勝を)獲りに行こうと思った」
外から迫る松浦を4分の3車輪退けてゴール。18年に川崎記念を制して以来、2度目のG3Vを勝ち取った。地元でG3初制覇を達成したその時も、8番車だった。
「(8番車で)なんか、流れが来てるんじゃないかって思いましたね。地元で記念を初優勝した思い入れのある車番なんで。これからもやることは変わらないです。一戦一戦、さらに上を目指して頑張っていきたい」
岡山の桜が満開になるとほぼ同時期に、ピンクの勝負服を来た小原の笑顔がバンクに咲いた。
太田に突っ張られた森田は、最終ホームで松浦悠士の位置に降りて激しくもつれる。しのいだ松浦だったが、態勢を整えるのに時間を要し、南関勢に上を行かれた。
「(太田が)もうちょっと落ち着いて突っ張っても良かったのかなっていうのはありましたけど。森田君が降りてくるのも想定していたんですけど、それでも一車遅れてしまって。まだ整っていなくて渡邉君のまくりには対応できなかったですね。後ろのことはわからなくて思い切り踏んだんですけど。今日は一番感触は良かったんですけどね。(太田は)超一流のダッシュでしたね」
単騎で挑んだ佐藤慎太郎は最終バック9番手。コースを縫って3着に突っ込んだが、結果的には道中の位置取りが明暗を分けた。
「(初手は太田ラインの後ろを取ったが)突っ張られたら終わりだと思ったので。でも、森田も良い選手ですね。(最終ホームでは)まだ整っていなかったですね。スピードも良かったですし(切り替えられなかった)。(最後は)もう少し、コンマ2秒早く入っていればアタマまであったと思うんで。勝ちたかったですね。このいいメンバーの中で勝つことが意味があると思うんで。現状は戻りつつあるっていう感じですね。落車をせずトレーニングして行ければ良くなると思うので」