• 前橋競輪場開設73周年記念 三山王冠争奪戦6/29〜7/2

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 前橋 06/29

 全日本選抜を制して年末のグランプリ一番乗りを決めている古性優作は、前回の高松宮記念杯を獲って今年すでに2冠。しかしながら、高松宮記念杯では1走目に落車に見舞われ、その怪我をおしての4連勝Vだった。その影響もあり万全でなかった今シリーズは、他を圧倒するようなすごみすらなかったが、力勝負ではなく持てるテクニックを駆使してのV奪取。いまさらながら、その対応力と引き出しの多さには感服した。

小林泰正

小林泰正

 地元の小林泰正は、シリーズを着。準決では根本哲吏、小松崎大地の北日本2段駆けをねじ伏せて、木暮安由に勝ち星をもたらした。自身は優出を逃すも、最終日は何度も脚を使える持ち味を発揮してしぶとく2着と前回とは明らかに違った動きが目を引いた。

 「今回は脚が仕上がっていた。ここまで2週間空いてたんで、地元に向けてメニューを考え直してやってきた。G1に出ていた時くらいの感じには戻っています。初日、2日目はうまく流れをつくれた。あとはもっとパワーをつけて、トップスピードが上がれば。(7月17日からの大宮F1まで)また2週間近く空く。そこが来期のスタートなんで、気持ちを切り替えてやっていきます」

吉田敏洋

吉田敏洋

 前回の名古屋で落車に見舞われた吉田敏洋は、今シリーズが1カ月以上ぶりの実戦。シリーズ2度目の連係となった谷口遼平との最終日は、谷口の余力を確かめて自力に転じて久々の勝ち星を挙げた。その視線は、8月のオールスターではなく、今月末のホームバンクの名古屋記念に向いている。

 「(最終日は谷口)遼平が苦しそうだったし、申し訳ないけど踏ませてもらいました。自分は他力を使って生き残る方法を見つけていけないと(笑)。(今シリーズは)体自体は問題なかった。ただ、前橋の特異性のあるバンクでイマイチ(感覚が)つかみづらかった。このあとは(名古屋記念まで)1カ月しっかりと。今年はそこで終わりのつもりくらいです」

佐藤礼文

佐藤礼文

 3場所前の名古屋でS級初優勝。今期は初めてのS級1班の競走得点を確保した佐藤礼文は、菊池岳仁の先行を利した最終日にチャンスをモノにして1着。それでも菊池が3着に沈み、反省に終始した。

 「強い、(菊池)サマサマですよ。自分はなにもしてない。余裕があるなら車間を空けたりしてやりたかった。あれだと(菊池は)1人で走ってる感じになってしまう。自分は(別線のまくりを)もっていきたいっていう方が(気持ち的に)勝ってしまった。(芦澤)大輔さんに言われたんですけど。(番手は)前と後ろに勝負権をいかに与えられるかだって。それだけの責任がある。今日(最終日)のは、ライン戦じゃない。もっとやれることがたくさんあった」

田口勇介

田口勇介

 今期、初のS級に身を置いた田口勇介は、前回の小倉2日目にまくりでS級初勝利。1月の豊橋記念以来、2度目のグレードレースになった今シリーズは、最終日に逃げ切りの1着で来期に弾みをつけた。

 「S級の最初の方は、余裕がなくて焦って戦っている感じだった。落ち着いて先行もできるようになってきたんで、来期はしっかりとS級点を確保したい。(今回は)感触はだいぶ良かったし、今日(最終日)みたいなレースをしていれば結果もついてくると思う。(S級で初めての逃げ切り勝ちで)これを機にしっかりと先行していきたい。(最終日は7車だったけど)9車立ては走りやすいんで、記念とかのG3で点数を上げていきたい」

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