ピックアップ GⅠ 宇都宮 08/08
佐藤水菜が、ガールズ史上初のグランプリスラムを華々しく達成した。上がりタイムは、衝撃の14秒2。レベルの違う走りで歴史に名前を残した。極限の精神状態で挑んだレース後は、あふれる涙を止めることができなかった。競技では全日本選手権、そして世界選手権が控えており、さらに競輪祭女子王座戦では、年間グランドスラムの偉業がかかる。グランプリスラムを達成してもなお、計り知れないプレッシャーの中で、最強女王は走り続けていく。

北岡マリア
最終日には、128期7名による女子ルーキーシリーズプラスが一発勝負で行われた。北岡マリアは、酒井亜樹に4分の1車輪差まで詰め寄ったものの、惜しくも届かず準V。本格デビュー後も、2場所で3勝を挙げているように、先輩期との戦いでも見劣りしていない。現状の課題を語った。
「強い先輩達と走ると、追走しかできていないって感じています。自力が足りていないし、自分でレースを引っ張れるくらいの脚力を付けたいと思っています。練習メニューも変えて、自力を強化するようなメニューを増やしているんで、それを競走でも出したい。今回も、踏んだ感じ自体は悪くなくて、届いたかなっていう感触があった。でも、届かなかったんで、もう少し早く踏んでいれば。G1で、強い選手のレースを見て、学ぶことが多かったです。今は予選では1着を取れているけど、決勝は3着しかとれていない。決勝でも1着を取れるように、脚力を付けていきたいです」

五味田奈穂
五味田奈穂は、決勝Bで2着。今年は4月宇都宮、6月平塚、7月松戸と3度の優勝があり、競輪祭女子王座戦でのG1初出場がほぼ決まっている。競走の幅は広げつつ、自分らしさは見失わず、初めての大舞台を見据えていく。
「(決勝は2番手にハマって)後ろが仕掛けてくるならこの辺だなって思って、3コーナーで自分で合わせる自信を持って踏みました。でも、もっと遅らせていれば…。人の力を使いたくないっていう自分の性分が出ちゃった。臆せずに、前々の走りができたし、これを自分の武器にしたい。(G1では)正直相手になるとは思えてないんですけど、11月に向けて練習することに意味があると思っています。上位の方とはベースから次元が違うと思うし、トップスピードや、ダッシュが劣っている。そこを強化しつつ、得意なところは広げていきたい」

中野咲
中野咲は、3日間全て先行策で猛アピール。決勝Aは小坂知子に差されたが、開催を通して競走内容は際立っていた。G1返り咲きを狙って、レース内容から見直している。
「決勝は脚が回ってなかったです。思うような力を出せなくて、スピード面で反省が残りました。3日間仕掛けることができたのは良かったんですけど、自力のレベルを上げないとだめですね。じゃないと、G1では仕掛けることすらできない。もっとスピード強化を意識して練習したい。オールスターに出たかったですし、ここで圧倒的に勝てるようになりたいし、そこが目標じゃなくて、それ以上を目指したい。自力を積極的にっていうのが課題ですし、バック本数をもっと増やしたいです」

吉川美穂
吉川美穂は、準決4着で決勝進出ならず。昨年のオールガールズクラシック以来となるG1決勝とはならなかった。現在は競輪祭女子王座戦出場への当落線上におり、選考期間の8月中にもう一度優勝して、出場権を確実なものにしておきたい。
「(最終日は)奥井さんが思っていた以上に早く動いて、そこに付けられたのは良かった。でも、坂口(楓華)さんの勢いが良かったのに、バックですかさず踏む力がなかったのが、現状なのかなと思います。奥井さんの後ろで休むんじゃなくて、すかさず仕掛けられる脚がないと、大きいレースでは予選も勝ち上がるのは難しいと思う。競輪祭への権利が安全圏にいるわけじゃないので、次の弥彦と、別府はすごい重要なんです。補欠だけはしんどいんで。1週間くらい空くんで、しっかり練習して備えたいです」