ピックアップ GⅢ 松戸 08/23
岩本俊介の地元Vで幕を閉じ、大団円に終わった。松戸でのG3優勝は、61周年取手記念代替、71周年千葉記念代替を含めて通算5度目。地元での無類の勝負強さを支えるのは、岩本自身の実力と、南関地区の仲間達だ。松戸の熱い競輪ファンは、優勝した岩本と、その前で先行した深谷知広にも、惜しみない拍手を送った。
長島大介
まさかの初日敗退を喫した長島大介は、番手戦だった2日目も、目標と共倒れ3日目は一般戦回り。後半の2日間は、力の違いを見せて連勝で締めくくり、なんとか面目を保った。
「調子っていうよりも、フレームかなって思います。新車を使ったんですけど、イマイチでした。流れるところと、流れないところが、自分の感覚に合わなかった。末脚も良くない感じがしました。ちょっとこのフレームじゃだめだと思うので、次の岐阜記念からは違うフレームを使います。脚の感触自体は良かったと思うんで、フレームさえ合えば。昔使っていた自転車を探してみます」
鈴木涼介
今期から2年半ぶりにS級に復帰した鈴木涼介は、最終日に中団確保からまくりで1着。シリーズ中に2度連係した紺野哲也は「タイミングを逃さないし、すごい競輪を勉強している子だと思う」と評した。A級で先行力を磨き、淡白なイメージを払拭してS級に上がってきた。
「記念で1着を取ったのが初めてなんで、めちゃくちゃ嬉しいです。A級である程度先行を意識したレースをやってきて、今回で長い距離を踏んでも通用するなっていう手応えを感じられた。あとは、ペース配分ですね。S級での先行のペース配分を、走りながら覚えていきたい」
塩島嵩一朗
初めてのグレードレースに挑んだ塩島嵩一朗は、初日に会心のまくりを決めて記念初勝利。3日目特選では、岡村潤を付けてカマシで逃げ切って、シリーズ2勝を挙げた。練習では郡司浩平よりも強い…と、まことしやかに噂されている逸材が、大器の片りんを見せた。
「勉強しないといけないことばかりだし、まだまだだなと思います。でも、通用した部分もあったし、9車立ての方が走りやすい感じがしました。流れがあるレースの方が、自分は合ってますね。あとは、もっと戦い方の手札を増やしたい。脚質的に、一発で行くような仕掛けは得意なんですけど、それ以外がない。脚を使ってからのレースが課題ですね」
園田匠
北津留翼、小川勇介、園田匠の小倉所属の3名が決勝戦に勝ち進んだ。小川と、園田は、準決勝と番手、3番手を入れ替えて決勝に臨んだ。南関の高い壁に阻まれて、九州から優勝を出すことはできなかったが、この3人で連係できたことに、意味があった。年長者の園田が、決勝を振り返った。
「悔しいですけど、なにより3人で決勝を走れたので。これをG2、G1(の決勝)って上げていければ。いまの不動會を引っ張っているのは(小川)勇介なんで。自分も悔しいですけど、勇介も悔しいと思う。またこの3人で、ひとつでも上で走れるように」