中部、近畿勢の争い
寬仁親王牌の初日に落車した平原康が欠場。それでもS班3名を中心にハイレベルなシリーズになることは間違いない。
優勝争いをリードするのは中部、近畿の2大勢力だ。先の寬仁親王牌でも決勝に駒を進めた浅井康太、金子貴志の中部コンビ。今シリーズの中部勢には深谷知や竹内雄といった本格的な自力タイプこそ不在だが、ともに自力を兼ね備えており目標不在のメンバー構成も苦にしない。浅井の寬仁親王牌勝ち上がりは3日間番手、3番手を回ってのものだが、本人も口にしていたように仕上がりはよかった。金子は今期に入って自力のレースが増えており、自力のレース勘に不安はない。こちらも寬仁親王牌で好調を示唆。高い総合力で強豪と対峙する。
対するは村上義弘率いる近畿勢だ。中部勢とは対照的にこちらは稲毛健太、松岡健介に野原雅也と機動型がズラリとそろっている。村上の17年は練習中のアクシデントも含め、怪我の多い年だった。8年連続のグランプリ出場へは競輪祭を優勝しなければ厳しい状況だが、ここで復調の手ごたえをつかんで勝負の競輪祭を迎えたい。機動型で一番点数を持っているのは野原だ。3連勝で優出した9月岐阜記念のあとはぎっくり腰で2場所欠場したが、復帰戦となった寬仁親王牌では一次予選を快勝。稲毛、松岡とそろって決勝に勝ち上がれれば、シリーズ最大の勢力になる。
平原の欠場はあった関東勢だが、代わりに吉澤純平、さらに追加で天田裕輝も加わり、大きな戦力ダウンはなさそう。もちろん中心は諸橋愛だ。現在の賞金ランクは8位。グランプリ初出場は今シリーズ、そして競輪祭の結果で決まる。寬仁親王牌の準決勝で落車したが、幸い怪我は軽い。今期グレードレース3Vの鋭いキメ脚でここも優勝するようなら年末の大舞台へ大きく近づく。今年は落車続きだった吉澤だが、10月別府で優勝するなどその影響を全く感じさせない力強さ。天田も寬仁親王牌で2連対。今年中盤から調子を上げており、同じ33バンクが舞台なら期待できそうだ。
地元の桑原大志にとっても大事なシリーズだ。賞金ランクは9位。下からの突き上げも激しく、まさに正念場を迎えている。それでも地元戦のアドバンテージは大きく、松浦悠士、太田竜馬に取鳥雄吾とスジの目標も豊富。地元エースとして活躍の条件はそろっている。
中川誠一郎、山田英明に合志正臣と九州勢にも好メンバーがそろっている。中川は寬仁親王牌で2勝を挙げるなど復調気配。山田もシリーズ屈指の自在型として走りが注目される。9月函館で落車した合志はどこまで調子を戻しているかだ。
他にも山中秀将、新山響平と力のある機動型は目白押し。防府の33バンクを舞台に激しいスピードバトルが繰り広げられることは間違いない。