かみ合ってきた渡邉一
メンバーの入れ替えで混戦模様のシリーズとなったが、自慢のスピードはS班の自力型と互角以上の渡邉一成が主役の座には最も近い。8月玉野着の決勝は宮本隼の逃げを上がり10秒9の快速まくりで仕留めると、その後は優勝こそないものの、オールスター、8月富山記念、9月青森記念、共同通信社杯とGレースで立て続けに決勝に進出している。当所は昨年のサマーナイトフェスティバルで優勝した実績があり、好機に仕掛けてワールドクラスのスピードを発揮できれば押し切れる。
南関勢も66周年大会の海老根恵太以来の優勝者を出すチャンス。中村浩士、伊勢崎彰大、根田空史、野口裕史らの地元勢に渡邉雄太、桐山敬太郎らが加勢して強力無比なラインを結成する。中村はオールスターで決勝進出、9月久留米でVゲットと差し脚が冴えているし、伊勢崎も毎年、地元記念を控えるこの時期は調子が上向き、9月青森記念で優参すると、共同通信社杯は一次予選で1着。追加で中村と師弟参戦となった根田はフレームを戻した8月小田原記念からスピードが戻ってきていて、9月岐阜記念の一次予選では上がり11秒3の快速まくりで、伊勢崎とワンツーも決まっている。根田の存在が地元ラインに更なる厚みを加えよう。野口も共同通信社杯では敗者戦ながら逃げて3連対と先行力を猛アピール。最終日は太田竜を撃破していて、地元勢のけん引役として期待がかかる。
武田豊、杉森輝は欠場となったが、関東勢もけん引役の吉田拓矢が健在。吉田はサマーナイトフェスティバルで優参すると、オールスター着、共同通信社杯3着などビッグレースで存在感を示している。タテヨコ確かな長島大介と神山拓弥の栃木勢が味方になるのも大きく、有力なV候補の一人として絶対に外せない。
今年は度重なる落車の影響で、なかなか好調時のような脚勢を取り戻せずにいる三谷竜生。まだビッグレースでの優参がないものの、徐々に上向いてきた印象だ。オールスターでは二次予選で勝ち星をゲットすると、8月小田原記念は着、初日特選、準決と2勝を挙げた。更なる良化が見込めるし、ただ一人のS班としての意地もある。勝って、本格的な巻き返しの一歩としたい。
十八番のまくりは破壊力ある原田研太朗、レース巧者の井上昌己もうまく流れに乗れれば怖い。地元の岐阜記念では4日間、バックを取る競走で復調をアピールした竹内雄作の存在も忘れてはなるまい。
また、嵯峨昇喜郎、小林泰正の超ハイレベル113期勢の参戦もシリーズの重要な見どころとなる。特に小林は度重なる落車の影響こそ気になるが、7月弥彦、8月西武園と立て続けに記念を優参している実力はすでにS級上位レベル。勝ち上がれば、それぞれ嵯峨は北日本、小林は関東の先導役となることが予想され、V争いの行方も大きく左右する。