菅田壱道の自在戦に期待
元S班のビッグネームもいるが、ここは菅田壱道を本命に推す。直前の3月立川を着で途中欠場している点は気がかりだが、ここまでにはしっかりと立て直してくるだろう。久留米は記念初優勝を飾ったゲンのいいバンク。優勝した一昨年3月のF1戦以来の当所参戦となるが、その当時よりは明らかに地力も上がっている。今シリーズは自力自在に優勝争いをリードする存在だ。櫻井正孝はここ久留米が冬季移動先。走り慣れたバンクだけあって、昨年6月の記念でも優出するなど過去には好成績を残している。2月奈良記念は短走路で展開に泣かされた部分はあったが、12月別府記念の落車から立ち直りをみせている。菅田と高校の先輩、後輩コンビで息の合った連係を決めるか。高橋陽介が宮城コンビに呼応する。それぞれ自力で戦える3車で組むラインは強力なものになりそうだ。
虫垂炎で2月全日本選抜を欠場すると、その後も静岡記念、別府と欠場が続いていた村上義弘は3月向日町から実戦に復帰。3日間、古性優作の番手を回ってオール連対で優勝している。メンバー的に自力を多用するシリーズになりそうだが、一本走って実戦の感覚を取り戻せた点は大きい。上積みがあれば、自力でも問題はないか。南修二は高いレベルで成績が安定している。全日本選抜の2日目に落車したが、最終日に松岡健の番手で1勝を挙げ、続く3月立川でも初日特選を制している。今シリーズはスジの機動型こそ手薄だが、目標不在でも自分でやれる点は強みだ。
武田豊樹は村上と並ぶ今シリーズの実力者のひとり。9月岐阜の鎖骨骨折から12月に復帰してからは順調に立て直してきていただけに、直前の3月西武園決勝で落車した影響が気がかり。ただ今シリーズは山岸佳太、志村太賀と前後に援軍は充実。落車の影響さえなければチャンスのあるシリーズだ。山岸は成績のムラこそあるが、シリーズ屈指の先行タイプ。優勝した2月伊東の決勝では位置取りのうまさも見せるなど、組み立ての幅も広がっている。
積極さでは竹内雄作の右に出る者はいない。本人は先行させてもらっているだけと話すが、30本近いバック回数は驚異的な数字だ。末の粘りさえ戻れば完調といっていいぐらいに調子は戻っている。上位に同型が手薄な今シリーズで完全復活なるか。
阿竹智史、竹内翼と自力タイプがそろった中四国勢も侮れない。落車も多い阿竹だが、その影響を全く感じさせないタフな走りをみせているし、3月は西武園、平を連覇するなど勢いは一番。自力でも優勝争いに加われそうだが、今シリーズは竹内の存在も心強い。竹内は2月奈良で番手まくりとはいえ優勝を飾るなど成績は上向き。しかもここ久留米は昨年5月にグレーツァー、トルーマンを相手に逃げ切りVを飾ったバンクだ。
スジの機動型が手薄とはいえ岡村潤、荒井崇博も争覇級の実力者。3月別府ではやや動きが重い印象だった岡村だが、近況の成績はメンバ―随一。年末から好調を維持するタテ脚ならここも優勝争いに加わってきそう。荒井も地元、九州勢の中心として意地を見せたい。