G3初優勝飾るか寺崎浩
今年、Gレースで優勝経験があるのは、2月小倉G3で着の松坂洋平しかいない。実力横一線でどこからでも狙えそうだが、勢いを重視して新鋭の寺崎浩平を中心視した。寺崎は在所時からマスコミの注目を集めていた逸材。養成所を早期卒業を果たした後は、瞬く間にステージを上げていて、超エリート街道を驀進中だ。デビューから僅か7カ月でオールスター参戦を果たすと、着と準決に駒を進めている。共同通信社杯でも1着と2連対。まだ経験不足なのでレースの組み立てには課題を残すものの、スピードはトップクラスで十分に通用している。非凡なスピードを発揮してG3初優勝を果たすか。好目標を得た山本伸一もここはチャンスだ。直近4カ月は先行しての連がらみはないものの、機動力を活かした自在戦で成績をまとめている。高松宮記念杯は西日本準決、オールスターでも準決まで勝ち上がった。道中で攻撃目標になる可能性はあるが、寺崎が先制し番手無風なら首位に躍り出る場面も。
落車の影響がなければ吉田敏洋もV候補の一角。直近4カ月の連がらみは4割が自力によるものだし、番手戦もそつなくこなしている。実績も上位で、ウィナーズカップで優参、オールスターは準決進出などビッグレースで好走している。今シリーズの中部勢の上位陣は自力型が手薄なので先頭で戦う可能性が高いだろう。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば主役を演じても不思議ではない。
南関勢は層が厚い。地元の田中晴基、成清貴之、そして自力型は松坂洋平、大石剣士と健脚ぞろい。今期は勝ち星が少ない田中ながらオールスターでは着と気を吐いていて、まずまずと言える近況だ。成清はGレースでは決勝に乗れていないものの、F1戦の準決は7場所続けて連にからんでいるように調子は安定している。今年は2月小倉G3を含み3Vを達成している松坂も好勝負が期待できる。共同通信社杯は8着と大叩きしたが、9月青森記念は1着で準決進出と立て直しに成功。大石は9月向日町記念1着では機動力を猛アピール。予選2、最終日と2度に渡りマークしていた佐藤慎を振り切った。
阿竹智史、岩津裕介らそろった中四国勢も侮れない。阿竹は8月高松で完全V、その後もオールスターは敗者戦ながら2連対、共同通信社杯も2着と善戦していて、自在戦が冴えている。共同通信社杯では珍しく連がらみがなかった岩津だが、相変わらず堅実な走りを披露している。好位置占めれば勝ち負けに持ち込めよう。
G1大会7Vの実績を持つ武田豊樹だが、地力低下は否定できない。関東の自力型が少ないこともあり、厳しい戦いを強いられそうだ。