郡司浩に挑む近畿勢
高松宮記念杯では無念にも東二次予選で姿を消した郡司浩平だが、車体故障のアクシデントに見舞われたためで、評価を下げる必要はない。全日本選抜着、ダービー着などG1大会で大活躍していて、今年の連対率は7割に迫る勢い。ステージの高いレースだけを走っての数字だけに特筆ものだ。スピードの切れ味には素晴らしいものがあるし、好位置をキープするテクニックも高く、安定感は抜群。信頼性の高い本命だ。同県の内藤秀久が郡司とタッグを組む。郡司とは1月立川記念の準決でワンツーを決めていて、逃げた郡司を内藤が差し切っている。最近も差し脚好調で、ダービーの二次予選は根田空の逃げを差して1着、高松宮記念杯では最終日に岩本俊のまくりを差して1勝を挙げている。神奈川ワンツー決着は大いにありそうだ。
野原雅也が地元記念初Vに闘志を燃やす。野原は持ち味の自力攻撃に一段と磨きがかかった印象がある近況。ダービーでは予選を連勝で準決に駒を進めた。高松宮記念杯は西一次予選を快速まくりで快勝して白虎賞に乗ると、果敢に駆けて清水裕の反撃を許さず、野原に付いた三谷竜生の勝利に貢献している。父(哲也=51期)は当所記念を2回制しているだけに、この大会にかける想いは強いはず。今の脚勢なら、好スパートを決めて親子制覇を達成しても不思議ではない。強気の自在戦が冴え渡る古性優作も有力な優勝候補。ウイナーズカップで準V、ダービー、高松宮記念杯ではいずれも準決に乗っている。先頭で戦うのか番手戦かはメンバー次第になろうが、どちらでも力は発揮できる。なかなか波に乗れずにいた三谷だが、高松宮記念杯では着と3勝を挙げた。白虎賞と最終日は野原雅を目標にしていたので、ここもメンバー次第では野原との連係は十分に考えられる。
初めてSS班となった守澤太志は、高いレベルで成績をまとめている。グレードを問わずほとんどの場所で決勝に乗っていて、6月別府記念着、高松宮記念杯着など最近の伸びも素晴らしい。今シリーズは北日本勢の自力型が手薄だが、関東、南関の自力型との連係もありうるし、まくりの機動力も備えているので動向からは目が離せない。
注目株は山口拳矢だ。6月別府記念1着、決勝は積極的に駆けて松浦悠の反撃を不発に陥れており、トップスピード、ダッシュ力には素晴らしいものがある。G3の決勝は3着が最高の成績だが、タイミングよく仕掛けられれば勝ち負けに持ち込んでもおかしくない。中部勢では皿屋豊も並々ならぬ機動力の持ち主。ダービーの一次予選では高橋晋の逃げをまくりで仕留めて勝っているし、高松宮記念杯の一次予選は逃げて2着に粘っている。自力基本の競走だが、山口には昨年12月広島記念の決勝で前を任せている。