紫崎隼が激戦を絶つ
上位は好脚ぞろいのチャレンジ戦だが、本命は塩崎隼秀だ。無念にも9月佐世保MNでの特別昇班には失敗したものの、祖の佐世保の決勝は、構えることなく早めの巻き返しで主導権を奪う強気の組み立てで、3番手にハマった長松大がまくりにくると自ら止めにいく激しさも見せた。元々121期在所ナンバーワンでスピードに乗ってしまえば強い。デビュー当所は決勝に乗ると意識しすぎて失敗というレースが続いていたことを考えれば着実に進化している。ここも力を出し切るレースを第一に考えて強敵をなぎ倒す。
だが、塩崎が相手でも、矢部駿人、才迫勇馬の中国勢は全く見劣りしない。才迫は降格してⅤ3。決勝はいずれも岡山の新人の番手を回ってチャンスを生かしており、7月別府MNのVは矢部のまくりを差したものだ。8月小松島MN、9月武雄で準Ⅴと初優勝まであと一歩の矢部が主導権を握る展開なら、またも才迫に流れが向きそうだし、矢部もそろそろ押し切り十分。
近畿には新人がいないが、菱田浩二、竜門孝宗らはⅤ候補から外せない。菱田も降格の今期は3Ⅴで、目下、9月四日市、静岡を連続優勝中だ。静岡の決勝は豪快なカマシを決めて、新人でもトップクラスの脚を持つ小西晴己の反撃を振り切っていた。1・2班戦でもコンスタントに勝ち星を挙げていた機動力はダテではなく、差し脚切れる竜門とのセットは非常に魅力的だ。