北勢と近畿勢の覇権争い
小松崎大地、佐々木雄一の福島コンビに、大槻寛徳、阿部拓真とそろった北勢がⅤ争いをリードする。ラインを率いる小松崎は高松宮記念杯、オールスターとG1戦を連続優参と40歳にして脚が一枚上がった感すらある。9月大垣を単騎で柔軟に立ち回り、松井宏、稲川飛、橋本大らをまとめて破ってⅤ、続く共同通信社杯も高橋晋を利して二次予選を勝利と近況も申し分ない。ここはもちろん、本来の自力で戦うが、共同通信社杯の後はレース間隔が空いて練習十分だろうし、パワーの違いを見せつけるだろう。小松崎の仕掛けが早まれば、差し脚の切れが戻った佐々木や、連対ラッシュの大槻にも勝機が巡ってくる。
村上博幸を軸に結束固い地元近畿勢からも狙える。怪我の影響が長引いて約半年の戦線離脱を余儀なくされた村上だが、8月高松を完全優勝してからはF1戦で一度も確定板を外しておらず、着実にいい時の感触を取り戻しつつある。兄の義弘が引退したことも気力を奮い立たす材料になろう。野原雅也、松岡健介、神田紘輔と前後に頼もしい援軍も得てⅤ獲りに邁進する。近畿勢の浮沈のカギを握る野原もF1戦では好走が続いている。9月福井では番手戦ながら村上の追撃を振り切ってⅤ、続く小倉も強烈なカマシ逃げに出て準Ⅴ。小松崎らとも互角に渡り合える状態だ。
北、近畿の両勢力に比べると劣勢は否めないものの、近藤隆司、松谷秀幸の南関勢も間隙を突いて浮上を狙うし、佐藤礼文、芦澤大輔の茨城コンビに、柿澤大貴の関東勢も連対は十分。