松本秀が軸の九州勢
混戦必至のシリーズ。松本秀之介、阿部将大、井上昌己の九州勢がやや優勢か。松本、阿部の117期の2人の出方で変わってくるが、どうあれ軸は松本だ。「決まり手も増えたし、踏める距離も長くなっている」と、切れ味を生かしたまくり主体の走りから意識を変えて先行策を基本とするようになってきた成果が今になって表れてきている。F1戦では優参続きだし、記念を走っても準決を外さないなど安定感を増している。ここもラインの先導役を務めてライン決着に導く可能性が一番高い。阿部は夏場の長欠からまだ復調途上だが、戦える状態にはあるし、松本と別で自力でやるにせよ、ラインの競走になってもやはりV争いを左右する存在となる。もちろん、九州の司令塔役の井上の突き抜けも十分。12月小倉では弟子の平尾一を利して最後はまくってVと勝負強さを発揮している。
長島大介、高橋築、芦澤辰弘と関東勢にも好脚がそろっている。10月向日町で優勝して以降は一息の感が否めない長島だが、F1戦ではさすがに実力上位なところを示しているし、勝負所で思い切って攻めていく姿勢は崩していない。何より関東は高橋が乗れていて、長島にとってもこれは好材料だ。10月京王閣記念で決勝に乗ってからは連対ラッシュで、1月立川記念でも1着で準決に乗っている。関東ラインの先頭を走ることとなろうが、自力でやっても強くて頼もしい存在となった。
鈴木裕や、小川真太郎、濱田浩司の四国勢もVを争う。好調時の鋭さが見られない鈴木にしてもF1戦なら組み立てでカバーできるだけの底力はある。しかも渡邉雅也、山賀雅仁に直前の落車の影響がなければ強力な南関ラインを形成できる可能性もありそう。競輪祭以降は走っていない小川も立て直して出走ならという期待は持てそう。さらに差し脚が切れている佐々木雄一も展開不問で連候補から外せない。