埼玉コンビにVを期待
山口多聞、宿口潤平の埼玉コンビに、矢口啓一郎の関東勢がV争いをリードしよう。山口は養成所時代にゴールデンキャップを2回獲得した121期のエリートで、9月の特班すると今年に入りレースにも慣れて2度の完全Vがある。長い距離をハイスピードで踏み切る持ち味をフルに出し切って、自身も含めて関東から優勝者を出す。宿口も2月松戸を完全V、続く立川を❷着など今期は順調そのもの。1年で降級となったものの、A級では以前と変わらずまくり兼備の差し脚が冴え渡る。山口の先制も有力なだけに、Vの最有力候補となろう。2月前橋で山口と連係したばかりの矢口も埼玉勢に加勢しそうで、強力なラインができ上がる。
常次勇人が同期の山口の行く手に立ちはだかる。山口より先に特班、1・2班戦優勝を果たした精鋭だ。デビュー当初から徹底先行で鳴らしていて、山口に先手を譲る気はないだろう。しばらく優勝からは見放されていたが、2月名古屋MNでは待望のV奪取。これでさらに乗ってきそうで、大ベテランの中澤央治らとしっかりラインを組めれば、そろった関東勢にも引けを取らない。
後藤悠、泉慶輔の北勢も好勝負必至だ。後藤は2月奈良MNでV。ライバルの下井竜がまだ本調子でなかったのもあったが、突っ張って出させずに逃げ切った決勝は迫力満点だった。S級経験もある機動型で、山口や常次に好きにさせるつもりはないだろう。泉も後藤に乗っていく展開なら言う事ない。1月大垣MN、2月西武園を連覇している差し脚を存分に発揮する。
林敬宏、犬塚貴之を擁する中部勢も伏兵には止まらないだろう。特に犬塚は9月に愛知へ移籍してから気合が入っており、優勝もしている。まくり主体の自在戦から先行で勝負する場面も増えており、ダッシュ良く好機に飛び出せば波乱を呼ぶ。