山口多が軸の関東勢
今シリーズの主役を務めるのは新鋭の山口多聞だ。トップスピード、ダッシュ力、持久力と3拍子そろった脚力の持ち主で、4月西武園、同月四日市と6連勝。しかも、4月に挙げた8勝はすべて逃げ切りで、先行力には一段と磨きがかかった感がある。5月久留米MNでの特進には失敗したが、出切ってしまえば別線を寄せ付けない。
関東勢では小林令、城幸弘の山梨コンビも好勝負が見込める。小林はまくり兼備の差し脚鋭く、昨年後期のS級では同格戦で連がらみが多かった。さすがにA級では実力上位で、2月別府から4月取手まで5場所続けて準V。この間は15走して連を外したのは3着の1回しかなく、今期はまだ優勝がないのが不思議なくらいだ。ここの前のレインボーカップでS急に特進する可能性も十分だが、出走ならV候補から絶対に外せない。城も動きは良化してきている。2月四日市で久しぶりのVをゲットすると、3月宇都宮は1❷着。その後も連がらみが多い。何より今回は山口や、上昇急な徹底先行・小池千啓がいて、後位を回って有利にレースを運べる可能性が高いのは追い風だ。
ライン的には北日本勢も強大な戦力を誇っている。阿部架惟都を先導役に、追い込み型には地元の小橋明紀をはじめ渡辺正光、平沼由充とそろっている。S級の壁に跳ね返された悔しさをバネに先行勝負に徹してきた成果が出て、最近の阿部は自力攻撃が冴えている。3月静岡、4月取手を連覇し、小林や関根健太郎を破っている。同月別府は準決敗退も着と2勝。好機に仕掛けて先手を奪えば、ラインから優勝者を出す場面も大いにある。
今年4勝の数字は物足りない関根だが、積極的に前々と攻めてほとんどの場所で決勝に乗っていて調子に問題はない。奥原亨とのタッグで一発を狙う。