伊藤裕が格上の走り
S降りの実力者によるV争い。誰が先手を奪ってレースをリードしていくか展開は読みにくいものの、主役は伊藤裕貴が譲るまい。失格点で14年前期以来のA級となった伊藤だが、通算10期S級1班を張り、降級前も毎場所コンスタントに連対があっただけに格が違う。降級初戦の7月小田原は完全V、続く函館❶着。新鋭・山口多聞ととまくり合戦を制した函館の決勝はレース運びも含めた総合力の高さが光った。ここも強敵相手のシリーズだが、レースの流れに乗っていっての一撃で、同じく降級後は好走が続く山口智弘と中部ワンツーを決める。
対するは、近藤夏樹に地元の石橋慎太郎らが続く南関勢。近藤も4年半守ったS級の座を失ったが、前期はコンスタントに確定板入りがあり、2月豊橋では優参と乗れている状態でのA級なので楽しみの方が大きい。初戦の7月佐世保は❷着と好スタートを切っており、ここも自力自在に持ち味を発揮して逆転を目指す。近藤は先行型ではないが、地元Vへ石橋は前を任せていくか。近藤が後手を踏まなければ持ち前の鋭脚で突き抜ける場面も。
吉田裕全、渡辺航平の埼京コンビは、小玉勇一か治田知也、永井哉多の若手機動型の勝ち上がりがVへの条件となりそう。