スピード際立つ犬伏湧
23年はダービー、オールスター、寬仁親王牌とG1で3回の優参を果たした犬伏湧也が優勝候補の筆頭だ。ヤンググランプリは5着に敗れたものの、優勝した太田海と激しい主導権争いを演じた競走内容は悪くなかった。持ち味である自力攻撃には、一段と磨きがかかった感がある。スピードの違いにものを言わせて別線を沈黙させよう。島川将貴も自力基本の競走だが、同県の犬伏との連係が叶うようなら前を任せるか。23年は11月高知から12月小松島まで3連覇するなど、F1戦ながら9Vを達成していて、仕掛けがツボにはまった時の破壊力には素晴らしいものがある。スンナリ番手を回れれば逆転は十分にありそうだ。レース巧者の岩津裕介が徳島コンビに加勢ならラインは更に強化する。ただ、岩津は競輪祭の最終日に落車(落再入)していて、1月和歌山記念で復帰したばかり。体調には一抹の不安が残る。
直近4カ月の競走得点トップは南修二。共同通信社杯、寬仁親王牌、競輪祭とビッグレースで立て続けて決勝に乗っていて、まくり兼備の差し脚が冴え渡っている。好展開が巡ってくれば、首位に躍り出てもおかしくない。ここは攻め口多彩な山本伸一を目標に優勝を目指すか。
九州勢も戦力は整っている。岩谷拓磨、吉本卓仁の地元コンビに、自在戦が冴える松岡辰泰。ここのところ決勝では結果が出ていない岩谷だが、12月は高知、小松島はいずれも連勝で優参、佐世保記念1着と勝ち星が多く、調子に問題はない。松岡は地元勢に任されれば積極的に攻めそうで、動向からは目が離せない。