重倉高に期待も混戦
傑出者不在な上に、各ラインの連係の形も流動的でV争いの行方は混とんとしている。難しいが、競走得点最上位の重倉高史を中心視したい。重倉は1月小松島で❶着と優勝していてさすがの貫禄。その決勝は俊敏に内を突いて先行の番手を奪い取って勝ったものだったが、ガンガン逃げて存在感を高めている。23年後期までのS級戦では一息不足な面もあったものの、A級では水を得た魚のように蘇った。中部で結束して堀兼壽、後藤彰仁の岐阜コンビとタッグを組みそうだが、堀も先行意欲が高い選手だ。ただ、重倉、堀の近況や同県ラインには割り込みにくいことを考えれば、重倉が先導役を買って出る可能性が高いのでは。そうなれば背中の肉離れがあってから低迷が続く堀にとっては巻き返すチャンスともなりそう。
幸田望夢もA級に落ちて俄かに存在感を取り戻した。1月伊東堀❶着は番手発進からの優勝だったが、得意のまくりに、今は流れではロングスパートも辞さない。関東は自力自在に立ち回る水森湧太もいて、両者の動向は、スジに目標にできる機動型が不在の岡本英之や、岡部芳幸と金澤幸司の福島コンビにも影響を及ぼしそう。場合によっては幸田のラインが本線となる可能性まであるかも。
小笹隼人と辰己豊の奈良勢も忘れてはいけない。小笹は依然として準決が壁になっているが、予選では連を外していないように状態は上向き。まだ自力健在なだけに、ノーマークで仕掛けられるかうまく脚を使わずに中団を取れれば波乱の立役者にもなれそう。