格が違う郡司浩
福井での今年初のF1線にはG戦線で存在感を示している健脚がそろった。とはいえ、シリーズの主役は言うまでもなく郡司浩平だ。S班陥落を発奮材料に変え、1月岸和田、地元川崎記念を制すると、今年最初のG1戦の全日本選抜で優勝と頂点に立った。全日本選抜は二次予選、決勝は北井佑、準決は松井宏の番手とラインの力で勝ち取った優勝だったとはいえ、決勝は清水裕や古性優の動きも頭に入れての直線勝負に持ち込んで踏み勝ちVと総合力の高さを示すものだった。もちろん、自力戦でも仕掛けのタイミングを誤らずに出し切れれば不安はない。3月はここと平塚のF1戦2本のあっせんなので全力投球。ここ最近調子を上げてきている簗田一輝を援軍に貫禄を示す。
ラインの総合力なら寺崎浩平、南修二、山口富生の中近勢も負けていない。地元の寺崎は11月当所で優勝し、1月和歌山記念❸着、2月静岡記念❽着、全日本選抜も着で準決に進出。ナショナルで鍛え上げたダッシュ、スピードで繰り出す自力攻撃の破壊力は今節一番だ。後位を固める援軍は南と山口だ。ヨコの捌きにも差し脚の切れにも定評がある南は昨年9月の共同通信社杯から全日本選抜までビッグで4大会連続決勝進出と偉業を成し遂げている。競輪選手らしさが増した寺崎がレースを作っていけば、徹底ガードから鋭脚を伸ばす南のVも有力だろう。
山田庸平の単も魅力がある。山田は12月広島記念を完全優勝し、1月立川も完全V。ところが、全日本選抜では一息不足で途中欠場に終わってしまった。立て直してくれば、しっかりした組み立てからまくり一撃で郡司や近畿コンビに一泡ふかす場面も。西連係で小倉竜二が付けばラインの競走もできる。
高橋晋也、山崎芳仁の福島コンビも見逃せない。高橋は1月平記念2着、2月静岡記念1着などここにきて売り出し当時の勢いが戻って注目の存在だ。その高橋に前を任せる山崎の連浮上はあっていい。
相手によって戦法を使い分ける器用さが光る長島大介も伏兵で見逃せない。うまくレースの流れに乗っていければ。