大混戦も吉田拓が主役
G戦線で存在感を示している健脚がそろって混戦ムードだが、主役の座に最も近いのは吉田拓矢だろう。吉田は1月平塚2❶着。3月伊東G3❸着、同月大垣MN❶着。波に乗り切れない部分はあるが、さすがにF1戦クラスの相手とは力の差が歴然としている。ダッシュを生かした自力攻撃は先行してもまくっても切れ味抜群。神山拓弥が巧追し、吉田の踏む距離が長くなれば逆転も。
徹底先行を売りにしている藤井侑吾に、藤井との連係策も視野に入りそうな三谷竜生の中近勢も組めば強力なラインだ。藤井のどんな相手でも行きっぷりの良い先行策は番手からの信頼も厚いし、最近は強敵をシャットアウトする場面も増えてきてパワーアップ顕著だ。三谷は2月地元奈良記念❶着で近畿別線だった脇本雄、古性優を倒し、将太と兄弟ワンツーを果たした。仕掛けは早くなくても踏み出せばグングン掛かっていく自力攻撃は迫力満点だが、力を出し切るレースが身上の藤井との連係ならV条件が整う。
松岡辰泰、伊藤旭の熊本コンビと井上昌己の九州勢も侮れないだろう。伊藤は2月松山❶着で鋭いまくりを決めて優勝していて目が離せないし、松岡もここのところ動きが良化している。ただ、井上は3月岸和田で落車しており、体調には一抹の不安が残る。万全な状態で出走ならば、前々でしっかりした組み立てを心掛けている伊藤や松岡に乗って、直線で強襲劇が見られるか。
地元北勢を代表する菅田壱道と成田和也の北勢も軽視は禁物。自力で出る場面は減っている菅田だが、狙い澄ましての一撃の破壊力は健在で、2月奈良記念、3月武雄G3で決勝に乗るなど近況良好だ。好機に踏み出して、成田との争いに持ち込めるか。
単で魅力があるのは取鳥雄吾と根田空史だ。取鳥は時折りポカも見られるが、逃げて強い選手なので、うまくレースの流れに乗って仕掛けられると一発は大いにある。先行主体のレーススタイルを崩さない根田も3月宇都宮で完全V。調子上向きで、激戦に拍車をかける。