中石湊に強敵がそろう
本格デビューから負けなしの快進撃は前場所の9月取手の決勝で途切れ、S級特進はならなかった中石湊だが、その力は抜けている。負けた取手は包囲網を敷かれ、6番手からまくるも関東二段駆けの上を行けなかったものだが、評価は下がらない。手加減しないと番手をぶっちぎるほどの猛烈なダッシュ力と加速力は誰も手が付けられない。北勢の援軍は手薄だし、相手が一段とそろったシリーズだが、ナショナルチームで鍛え上げられている脚力で突破しよう。
対抗格は、9月伊東、平で連続完全優勝していてこの場所にS級特進を懸ける鈴木浩太。前期までのS級でも通用していた機動力はレベルが違った。ハイスピードで繰り出す自力攻撃は迫力満点。成清貴之のガードも受け、中石との力勝負を制して特進を決めてしまうか。
ケレン味のない先行勝負が持ち味であった梁島邦友は、自在性も増して総合力がアップ。降級後は決勝戦で確定板を一度も外していない安定感のある走りを披露。9月平で今期初Vも決めてますます乗ってきそう。展開に応じて器用な立ち回りができる依田翔大もいるが、中石、鈴木が相手なら自分でやってのV奪取に燃えるのでは。
ともに何でもできる吉川起也、重倉高史の富山両者は、展開を見極めての一発となりそうだが、軽視はできないだろう。