検車場レポート
中川 誠一郎 熊本 85期 |
新田祐大を警戒しながら踏んだ清水裕友が、打鐘で主導権を握る。いったん5番手に入りかけた新田は、さらに踏み上げて3番手取りに動いて松浦悠士の内に入る。松浦が新田を押し込むと、吉田敏洋が最終ホーム手前で落車。新田らがもつれるなかで、後方で脚力を温存した中川誠一郎が最終2コーナー手前から踏み出す。新田も合わせて出るが、スピードの違いでまくり切った中川があとはひとり旅で後続をちぎった。
「自分が前になったらなったで、新田君は先行するのかなと。それもしょうがないし、自分はしっかり力だけ出そうと。(最終ホームで落車を)避けたので立ち遅れましたね。踏み出してからは、新田君を越えればなんとかなるって思った。やっぱり(1走目からキレが)悪い。出足がないけど、伸びのある仕上り。練習ができているのと、前々回、前回と成績が出て1着が取れている。その2つがかみ合って、気持ち的にも体的にもきているんだと思う」
新田マークの成田和也は、最終3コーナーで内に進路を取って中国コンビの中を割るが及ばず。直線で松浦の外を踏んで3位入線も、松浦の失格で2着に繰り上がった。
「新田がまくって行くのを見てからだったんで、遅れて(入って)割れなかった。まずは新田に付いていってと思っていた。(新田が)合わされたんで、そこから内に入った感じですね。あんまり大きくもっていけなかった。(感触は)悪くない」
最終ホーム手前で吉田と接触した新田祐大が、後輪を破損。中川に合わせて3番手からまくり上げたが、持ち前のパワーが車輪に伝わらず4位入線。競輪祭、全日本選抜からのGI3連覇が絶たれたかに思われたが、繰り上がりで薄氷を踏む思いで準決に進んだ。
「ダメでした、中途半端になっちゃった。(落車の)アクシデントがなかったら…。車輪が壊れちゃって、ずっとブレーキがかかっている状態だった。成田さんが僕の後ろにいるんで、1回仕掛けないとってダメ元で仕掛けたけどダメでした。(繰り上がりの3着は)素直に喜べないけど、準決に気持ちを切り替えたい。この繰り上がりをしっかり走って形にしたい」