検車場レポート
宮本 隼輔 山口 113期 |
臆することなく最終ホームから仕掛けた宮本隼輔が、S級5人と稀にみるハイレベルな同期との一発勝負を制した。
「いやぁ、やられたと思いましたよ。後ろにるのもわかってたんで」
直線、外から詰め寄る松井宏佑との僅差の争いになった。競輪学校時代から同部屋、同じHPD教場で互いを高め合ってきた松井を宮本が4分の1輪抑えこんだ。
「森田(優弥)が来るのはわかってたんで、(そのラインの)後ろからすかさず(仕掛けようと)と思ってました。そしたら河合(佑弥)は間髪入れず来たんで、バックに入れた。あれで曽我(圭佑)がキツくなったんじゃないですか。河合がやったことを自分がやりたかった」
河合が森田を叩き切ると、宮本は仕掛けどころを逃さず踏み込んだ。3コーナーで前団とらえ、並みいるライバルを退け真っ先にゴールを駆け抜けた。
「河合と森田は長い距離を踏めるし、短くなると松井さんと藤根(俊貴)が有利になる。そこを考えてました」
同期との大一番を勝ち切った宮本だが、次は地元の国際自転車トラック競技支援(GIII)。地元の舞台が待っている。
「次に向けてやってきた。防府もそうですけど、頑張ればGIが見えてくる。グレードレースで(清水)裕友と並びたい。そのためには僕が頑張るしかない」
曽我が連結を外して松井宏佑が、宮本を追うように続く。藤根、さらに小林泰正が宮本に切り替えると、松井は外を踏んだがわずかに届かなかった。
「力を出し切れなかった。悔しいですね、これで(宮本とは)2勝2敗。ラインが欲しかった。僕にもラインがあれば…。ラインがあるなかでビッグレースで(宮本に)勝ちたい」
主導権を奪った河合マークの小林泰正は、宮本が空けたインを伸びるも3着。
「ワンテンポ遅れた。ダッシュがないのに…。あれが先に踏んでいれば、(宮本を)差せたと思う。(このレースは)自分のなかではコースを探して、つくるっていうのが課題だった。成長できたなかと思うけど。もっと磨いていきたい」