検車場レポート
鈴木 庸之 新潟 92期 |
赤板で後ろ攻めの山中秀将が上昇するも正攻法の山岸佳太が突っ張る。打鐘前で阿部力也が笠松後位へ切り替えて隊列が一本棒になると最終ホームで再び山中が巻き返す。しかし先行態勢に入っていた山岸がペースを上げて合わせ切って最終バックを通過すると番手の鈴木庸之が絶好展開をモノにして2015年松阪記念以来2度目のG3制覇を成し遂げた。
「作戦で山中さんでも椎木尾君でも突っ張ると。連日、山岸君のレースが弱気だったからどうなるかと思ったけど、1回は突っ張ると言ったから、その気持ちがあれば決まるなと。2着に残したかったけど、割られた。(大けがから復帰してから)与えられた場所と、与えられた番組で結果を出せている。もっと時間がかかると思った。昨年の5月にヘルニアの手術をして、昨年の今頃はベッドの上にいましたから。でも諸橋(愛)さんに頑張っている人は大ケガがあるし、頑張っている人は良いことがあると言われた。今までは番手回りが好きじゃなかったけど、自分が前々に攻めているから、みんな前へ仕掛けてくれる。今は残すための仕事の楽しさがある」
阿部力也は2センターから内々へ潜り直線で鈴木と山岸の間を割りにいくも突き抜けられず2着まで。
「ノープランでした。しいて言うなら椎木尾さんの所にはいたかったですね。道中で鈴木さんの後ろにはいたいかなと。山中さんのやる気もわからなかったので。山岸君が突っ張ったときに内に潜って椎木尾さんの所で勝負しようかとも思ったけど、勝負しにいったときに山中さんのカマシが気になって。人任せのレースになってしまった。最後はいけるかなと思ったけど、鈴木さんを押す形になってしまった。もう少し早く入っていれば。こういう所で優勝を獲れないとですよね」
山岸佳太は正攻法から山中を突っ張り逃げて別線を封じて3着に入り、競輪祭の権利を手に入れた。
「山中さんを突っ張って、ギリギリまで引っ張って駆けようと。鈴木さんが1番車だからできたことですね。今回のデキから考えると上出来かなと。ここに入るまで感触が悪くて、連日、(中村)淳さんにセッティングを見てもらっていた。今は平原さんのフレームを使っていて、オールスターが終わったら平原さんにもまた見てもらう。連日、しょうもないレースをしていたので、決勝は内容のあるレースをしようと思っていた。最低限、競輪祭の権利は取れた。今回がラストチャンスだと思っていたので。ワンツーが決まれば良かったんですけど。新山(響平)なら逃げ切っていたと思う。まだ力不足」