38名が誤申請 ~持続化給付金及び家賃支援給付金~

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 日本競輪選手会から競輪選手の持続化給付金及び家賃支援給付金の申請・受給に係る調査結果についての発表が6月18日にあった。日本競輪選手会では、JRA、ボートレースの持続化給付金に係る報道を受け、令和3年3月以降、全選手を対象に持続化給付金及び家賃支援給付金の受給の有無、申請理由及び申請時期等について調査してきた。

 競輪については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から令和2年4、5月に開催中止が相次ぎ、年間合計で73開催が中止になった。これにより選手全体での出場日数は、4月で5225日から2425日に、5月で5165日から1979日に減少した。また、同年7月から9月において競輪場での3密を回避する観点から、GI・GIIを除くすべての開催について、1日のレース数を9レース制に、1レースあたりに出走する選手数を7名に削減する対応を行い、その結果、選手全体での出走回数は7月で5224日から4092日に、8月で5223日から4146日に、9月は5161日から4021日に減少した。
 そのため、競輪選手においては、新型コロナウイルス感染症による出走の影響を受けていることから、その調査については経済産業省及びJKAの協力を得つつ慎重に進めてきた。

 全選手(2323名)を対象に、持続化給付金及び家賃支援給付金受給の有無に関する調査を実施したところ、持続化給付金は2146名、家賃支援給付金は128名が受給していることが確認された。
 経済産業省及びJKAの協力を得つつ、持続化給付金又は家賃支援給付金の申請理由及び申請時期等について追加調査したところ、専門家の指南による組織的な受給はなかったものの、錯誤(持続化給付金及び家賃支援給付金は、受給要件の一つに、「新型コロナの影響で売上が前年同月比50%以上減少していること」というものがあり、申請の際に対象となる月を選択することになっている。調査の結果、各選手は、「コロナの影響がない月」を、制度を誤って理解して、「対象月」として申請したことが判明した)による受給者(持続化給付金36名、家賃支援給付金2名)を確認した。

 この調査結果を受けて、日本競輪選手会では、当該選手38名に対し、直ちに自主返納を指導するとともに、選手会の調査に非協力的であった3名に対し指導。6月11日に綱紀審議委員会において審議し、同月17日の理事会において40名の戒告処分を決定した(家賃支援給付金を受給した選手1名は既に引退しているため40名の戒告処分。当該引退選手に対しては、選手会として継続的に自主返納を指導する)。

 再発防止策として、個人事業者に対する公的給付金について、関係当局及び専門家等に受給要件等の確認及び関係団体と協議を行ったうえで、正しく申請を行うよう指導していくこととする。また、必要に応じて窓口を設置し対応することとする。今回の持続化給付金等の誤申請を契機に、選手のみならず選手会及び関係する団体を含めて法令遵守及び適正手続きが行われるよう業界としての意識を共有していく。

権田浩一記者

2021年6月18日 20時09分

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