PIST6第7戦目を終えて ~TIPSTAR DOME CHIBA~

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派手な演出で盛り上げる
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高級なフレームが勢揃い
選手にとってもメリットは大きい

12月4、5日かけてPIST6ジャパンヒーローズラウンド5が開催された。すでに2回目、3回目の出場となる選手も多く、現行競輪との違いを楽しんでいるようだ。

 今回は第1回目から見続けている筆者が感じた選手側のメリットとデメリットを紹介していきたいと思う。

 大きなメリットとしてまず上げたいのは、やはり高額な賞金だろう。
 現行競輪ではF1(3日制)S級・7車立5R制での優勝賞金が113万3000円。PIST6ではSA混合戦で優勝すると123万2000円を手にすることができる。特に現行競輪でチャレンジ戦やA級1、2班戦を主戦場にしている選手からすると魅力的な金額だ。
 また、レース結果が競走得点などの個人の成績に反映されないため、普段追い込みで戦っている選手がここぞとばかりに自力を出してみたり、ギア規制がないため5倍以上の大ギアを使ってみたりと、様々なチャレンジができる。
 そして特にA級の若手選手にとっては、普段会うことのできない他地区のS級レーサーなどと交流できる点も非常に大きい。ここぞとばかりに質問してセッティングのアドバイスを貰ったりする選手もいるなど、PIST6を機に新たな交流が生まれる。
 
 逆にデメリットはどうなのか。賞金でいえば優勝劣敗の原則により、結果が芳しくないと得られる賞金が少ない点だろう。
 現行競輪のF2(3日制)A級3班・5R(7車立)では予選7着でも3万6000円の賞金が出るが、PIST6では一次予選6着だと0円(特別手当2万2000円が支給)。賞金が出るのは上位3着までとなっている。
 また、蛇行や斜行などルールの判定が現行競輪よりも厳しい上に反則金制度により失格(3万円)、重注(1万円)、走注(5千円)の罰金が徴収される。
 他に人によっては「カーボンのセッティングの感じや、250バンクの重力のかかり方が普段と違うので、現行競輪での感覚がよく分からなくなった」など、若干の弊害が出た選手もいるようだ。

 しかし、これまでに参加した選手の多くは「演出が派手でテンションが上がる」や、「楽しんで走れる」、「久々に緊張して良い刺激になった」、「PIST6DANCERSが可愛い」、「自転車競技が純粋に好き」、「格好良いフレームとウェアで走れるのは気持ちも高まりますね」、「大ギアをレースで踏めるから良いですね」、「賞金は魅力的ですよ」、「S級選手と会えることがないから、アドバイスとか聞きたい」、「ギアかけて踏むから良い練習になる」、「タテへの意識が現行の競輪にも活きる」など肯定的な発言が大多数を占めている。

 参加していない選手やライセンスを取得していない選手の中には「250バンクに慣れていない人が多くて危ない」や、「競技に興味がない」、「認定部品が手に入らない」、「フレームが高いからわざわざ用意するのも…」などの声があるのも事実。しかし、選手にとってはデメリットよりも、メリットの方が圧倒的に大きいように感じられただけに、今後も初出走の選手が増えていき、業界全体が盛り上がることを期待したい。

本吉慶司記者

2021年12月6日 15時07分

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