脇本雄太との対戦を振り返る ~大宮競輪~
一人だけ別次元
大宮競輪F1は24日(木)に初日が行われた。初日特選12Rは脇本雄太(福井・94期)が人気に応えて圧勝した。同乗した選手達全員が脇本の強さに驚嘆した。
前を取らされた脇本は、いつも通り誘導を残したまま打鐘付近で車を下げる。最終ホームからのカマシで2着に4車身差を付ける圧勝劇だった。番手は伊原克彦(福井・91期)と新山将史(青森・98期)で競り。踏み出しをしのいで競り勝ったのは新山だった。レース後の新山は検車場で10分以上倒れ込んだままだった。
「キツ過ぎる。こんなにキツいのは初めて。気持ち悪いし、目まいがする…。競り勝ったのはよかったけど、最後は離れているので。(脇本は)どこまでいっても伸びていく」
脇本を押さえて踏み上げた阿部大樹(埼玉・94期)も、レース後は立ち上がれない。
「選手になって初めて吐きそうです。あんなの体験したことない。自分の思った通りのリズムとペースで踏めていたけど、ワッキー(脇本)は次元が違う。3コーナーからもずっと永遠に伸びていったでしょ。おかしい」
付け切れなかった伊原だが、準決勝で再度脇本の番手を回る。今度こそは付け切って初のワンツーを決めたいところだ。
「山おろしで新山君に一発もらったのが効いた。脇本君の番手はめったに回れないし、勉強になる。今度は無風で回れるし、準決こそしっかり人気に応えたいです」
誰もが息も絶え絶えでレースを振り返っていたが、タイムを確認した脇本が「まあまあ、こんなもんかな」とサラッと話したのが印象的だった。