脇本雄太が2度目のダービー制覇‼ ~いわき平競輪場~
ライバルの想像を超えるスピードで凌駕
5月8日(日)にいわき平競輪場で行われた第76回日本選手権競輪の決勝は別線の包囲網を力ずくでねじ伏せた脇本雄太(福井・94期)が73回大会以来となる自身2度目のダービー制覇を達成した。
レースはスタートでけん制が入り1番車の古性優作が誘導員を追いかけて近畿勢が正攻法に構える。後ろ攻めにこだわった眞杉匠が率いる関東勢が赤板前から上昇すると先頭に構えていた脇本雄太はゆっくりと車を下げて7番手まで引き切る。打鐘前の2コーナーで誘導員を下した眞杉匠がハイピッチで駆けて主導権。3車身ほど前との車間を不気味に空けていた脇本雄太は最終1コーナー付近から一気に反撃開始。中団から合わせて踏み込む清水裕友を乗り越え、最終3コーナーで眞杉匠の番手から自力に転じた平原康多をのみ込むと、後続を一車身以上も引き離してゴール線を駆け抜けた。
「走れるG1が限られているなかで優勝したい一心で頑張りました。眞杉君が全開でいくか見るかで違いましたけど、眞杉君が油断せずに踏んでいったのでかなり苦しい展開になりました。(乗り越えられるか)自信はなかったですけど、一度踏んでからは最後まで諦めずに踏んだのでそれが結果に現れたと思う。平原さんを乗り越えた所で記憶がないくらい力を振り絞ったので余裕はなかったです。ゴールした後、ハンドルを投げて1秒くらいして自分が優勝したのかなって。そのくらい力を出し切るレースだったと思います」
二車単、三連単ともに一番人気に推されていた平原康多は脇本雄太のスピードに屈して4着まで沈んだ。
「眞杉もカカっていましたし、連日の強さだったので。3コーナーまで持つかなって思っていたんですけど、そこからの(脇本の)スピードが凄かった。もうあれなら2コーナーで決め打ちで出ていくしかなかったですね。今シリーズは眞杉とワッキーの先行力は同じくらいだと思っていたので(番手から)出なくてもいいかなって思っていたんですけど、違いましたね。頑張ったけど、結果的に踊らされた感じですね。いい経験になりましたね。みんな出し切って負けているので、悔しいですけど清々しい負けなので。でもいい目標になりますし、励みになります」
2着には平原康多を追走した地元の佐藤慎太郎が入線。古性優作を捌き守澤太志の中割りに耐えて地元ファンの声援に応えようと踏み切った。
「ワッキーがすごかったですね。自分としてはリラックスして走ろうと思っていたんですけど、お客さんの熱気が凄くてそうも言っていられなくなりましたね。眞杉君も強かったですし、平原も。ラインとしてなんて言うか最後まで信頼できたので。地区は違いますけど。あそこ(最終3コーナーで)前に踏むっていうのもあったと思うんですけど、古性君はテクニックもあるのでその前に仕上げておこうと思って。まあでも前に踏んでいても脇本君の優勝には変わらなかったと思いますよ。そのくらい強かったので」
全日本選抜競輪を古性優作が制して、今回の日本選手権競輪を脇本雄太が優勝とさらに勢いづき、盛り上がりを見せる近畿地区。他地区も黙っているはずがなく、今後のG1戦線からも目が離せない。