菅田壱道が4度目のG3制覇を達成 ~福井競輪場~
〝運〟も味方に4か月ぶりの実戦で結果を出した
7月10日(日)に福井競輪場で行われた開設72周年記念『不死鳥杯』の決勝戦は北日本勢がラインの結束力を示して菅田壱道(宮城・91期)が自身4度目となるG3制覇を達成。人気を背負っていたグランプリ王者の古性優作とのゴール前勝負を制して優勝を手にした。
スタートでけん制が入行ったが王者の古性優作が正攻法に構えて、北日本勢は後ろ攻めを選択。中団に構えていた坂本周作が松井宏佑を警戒しながら上昇していき打鐘手前から先頭に立って風を切る。最終ホーム付近から単騎の森田優弥が仕掛けて出ると、4番手に構えていた古性優作が合わせて踏み込む。気配を察知した菅田壱道は空けておいた車間を詰める勢いで最終2コーナーから番手まくり。古性優作との半周以上の踏み合いに勝ってゴール線を駆け抜けた。
「(4か月ぶりのレースで優勝できたことは)とんでもないことっすね。でも気負いがなかったので。点数も出走本数も関係なく、リラックスして走れたのは大きい。坂本君が後ろ攻めから押さえて松井君を後方にって感じだったので、あとは自分がアシストするだけでした。ゆっくり車間を空けるよりも先に空けておいた方が詰まらないと思ったので。古性君が一瞬見えて、あのキレだから次に見たときに横を通過されると思って前に踏ませてもらいました。佐々木さんと決めたくてがむしゃらに踏んだんですけど、4コーナーを回っても誰もきていなかったので。ゴールした時には1着だと思いました。なかなかないですけど(ガッツポーズは)気持ちが現われたんだと思います」。
今シリーズは誘導員早期追い抜き失格により4か月ぶりの実戦であったが、自分のペースで復帰戦に向けてモチベーションを上げていった結果が実を結んだ。
「競輪から少し離れて自分自身と向き合って。無駄な時間は一日もなかったと思います。宮杯くらいからまた競輪を見だして。やっぱりG1とかを見ていると悔しい気持ちだったりネガティブな気持ちがこみあげてくるので距離を置きながら。あっせんも出てここに向けてモチベーションを上げてきた感じですね。今年は一戦、一戦が勝負になってくると思うので。サマーナイトしか出られないですし。今回は自力という自力を流れの中で出せていないですけど、サマーナイトは自信を持って仕掛けたい」。
腐ることなくひたむきに努力を続けた菅田壱道に〝運〟も味方した。準決は悪天候により抽選によって決勝への切符を手にして、勢いそのままに優勝をつかみとった。
「(準決勝の抽選は)4か月ぶんの想いを込めて回しましたよ。運もあって決勝に乗れたと思う。今日1日だけ喜んで、4日後に向けて気を引き締めていきたい」
次走は7月16日から玉野競輪場で行われるサマーナイトフェスティバル。良い流れをつかんだ菅田壱道がビッグ戦線でも存在感を示す。