クセが強いと言われる熊本バンクの攻略法を探る ~熊本競輪場~


壁のようにそり立つ〝魔の3コーナー〟が命運を分ける
2024年にリニューアルオープンした熊本バンクで今年一発目のG1『全日本選抜競輪』が行われる。直線の長さが500バンクだったころの名残があって60.3メートルと全国平均よりも長い。最大カントは34度15分29秒と400バンクの中でもきつい部類に入り、34度を超える傾斜は33バンクに多い傾斜角度。日本で最大のカントである前橋競輪場は36度であり、「コーナーは33バンクのよう」という声が多く聞かれた。オリンピックなどでも使われるスキージャンプの傾斜角度が35度から37度という点を比べてみてもかなりの急傾斜であると言えるだろう。当バンクで9車立てのレースが行われたのは2年前の『火の国杯争奪戦』以来で2度目となる。地元のエース嘉永泰斗や、当所で好走実績のある選手のコメントから当バンクの攻略法を紐解きたい。
地元のエース嘉永泰斗は生まれ変わった熊本バンクのバンクレコード保持者だ。2年前の再開1開催目で出した記録だが、1年半もの間、記録は破られていない。実際にレースで走ったときに感じたバンクの特徴を教えてくれた。
「3コーナーの入り口で(スピードが)止まるので、まくりは効きづらい。2センターを我慢すれば、4コーナーからは伸びます。3コーナーからは33バンクになるような感じですね。最終バックで先頭に立っていれば、確定板入りはできそう。それか、もっと遅くの仕掛けにするかですね。カマシは、最終ホーム過ぎで出切れていれば、残れるのではないかというイメージですね」
2年前に行われた開設74周年記念を制している深谷知広は当バンクにいいイメージを持っている。カントのきつさは気にならない様子で、カントの使い方が巧い選手にとってはアドバンテージがありそう。
「熊本バンクは走りやすいですね。3コーナーのカントはきついですけど、走りにくいという感じはしない。どちらかというと競技者向けのコーナーっていうんですかね。(伊豆ベロドロームの)250とか、33バンクが好きな選手には向いていると思います」
新旧のナショナルチームに所属した経験がある選手や、競技経験のある選手にとっては攻略しやすいバンクの形状をしているということで、コーナーの使い方が巧い選手を狙ってみるのも当たり車券への近道となるかもしれない。
昨年グランプリ王者の郡司浩平にも熊本バンクの印象を聞いた。新しくなった熊本バンクは深谷知広と同様に2年前の『火の国杯争奪戦』を走っており、その時は自力2回、番手2回の合計4走している。
「カントはきついですね。自分としては1コーナーの入りよりも3コーナーの方がきつく感じますね。仕掛け所に気をつけないと、まくりは難しく感じましたね。でも直線が長いわりには、意外と先行でも残れるなっていうのはありました。2周突っ張っても押し切ったレースもありましたね。あと3コーナーは番手回りの時も気をつけないといけない。まくりを張るときに自分の思っている以上に膨らんでしまうから、最小限の動きで止めないといけないなって思いました」
超一流選手が感じた熊本バンクの印象はそれぞれではあったが、やはり熊本バンク最大の特徴ともいえる〝3コーナー〟が命運を分けそうだ。

細川和輝記者
















