中川誠一郎選手熊本Ｓ級１班プロフィールスポット・インタビュー｜　当たる競輪（けいりん・KEIRIN）無料予想はエンジョイ

　「選手人生のなかでも、かなり大きい怪我だった」
　昨年９月、名古屋で行われた共同通信社杯の初日に落車。その影響で右鎖骨と右ろっ骨を骨折し、さらに肺気胸を起こして、その後は成績が低迷していった。
　「今まで鎖骨とろっ骨は骨折したことがあるけど、肺気胸は初めてだった。しかも体調不良明けだったし、悪いことが重なってしまった。しばらくは安静にしてリハビリもできない状態だったし、肺にも違和感が残っていた」
　落車から９カ月が経ち、徐々に状態も上向き本来の脚力も戻ってきた。
　「落車から状態も戻ってきてまた下がってしまう時期もあったけど、今はまた調子が上がってきている。体は良かった時の８割ぐらいには戻ってきているし、あとは気持ちと体がかみ合うかどうか。６月の小倉では今のところで仕掛ければ良かったという場面があったし、自分が思った通りの動きができることが重要」
　６月に44歳を迎えてベテランの域に達し、近況は番手回りの競走も増えつつある。
　「自分もこの歳になったし、せっかく競輪選手になったからには追い込みもやっていこうと思っている。熊本は強い若手も増えてきているし、番組次第では前を任せることも多くなると思う。すんなりまくっていってくれる選手なら付きやすいけど、自在選手を追走となると難しい。連係を外してしまうことも多いし、その辺りは練習でも車間の取り方を勉強している。昔から追い込みとしてやっている選手には遠く及ばないけど、自分もそういう（追い込みの）技術も身につけていかないといけないと思う」
　地元である熊本競輪場の再開が、今の中川誠一郎を奮い立たせる。
　「熊本競輪場は、早くて来年の３月くらいにバンク練習ができるかもしれない。レース自体も遅くても来年の秋ぐらいにはできるみたい。一時期は気持ち的に落ち込む時期もあったけど、今は来年の熊本記念で優勝することをモチベーションにしている。熊本競輪場の復興は自分がずっと言い続けてきたことだし、それまでは絶対に自分もあきらめないつもり」
　近況はＧⅠ３Ｖの豪脚が鳴りを潜めているが、まだ闘志は消えたわけではない。地元バンクで輝くその日まで、あきらめずに走り抜く。

2023年7月9日更新

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