北村信明選手徳島Ｓ級２班プロフィールスポット・インタビュー｜　当たる競輪（けいりん・KEIRIN）無料予想はエンジョイ

　昨年７月大垣記念の準決勝でアクシデントは起こった。打鐘からカマした宮本隼輔ライン３番手に付けていた北村は１センターで古性優作と接触。バランスを崩し、大きく外に膨らむとフェンスに激突した。「ジャンまでしか記憶がない。気が付いたら病院。ＭＲＩのなかだった」。この言葉が、衝撃の強さを物語っている。
　診断結果は胸椎と腰椎の圧迫骨折。１カ月は寝たきり、その後１カ月のリハビリを経て練習を再開したが、２カ月の間に筋力はかなり落ちていた。出ればＧ１初出場だった11月競輪祭での復帰を目指したものの、「練習では千切れまくって、まったく付いて行けず。お手上げの状態」。欠場という苦渋の決断を下した。
　「周りには『もう出れることはないんやけん』と言われたけど、自分としては納得のいく状態で行きたかった。落車した直後はメンタルをやられて、競輪祭にも間に合わず。正直、走るのが嫌になってたんですけどね。それからはいつ行こうか…、嫌やな…って感じでいたら、師匠（青井賢治）に『そろそろ行ったら？　行けば足りないところにも気づくんじゃない？』って言われた。今となってはありがたかったですね。あれがなければ自分では決めきれずにズルズルいってたと思う」
　12月松山で約５カ月ぶりの復帰。レース勘や走らなければ消えない恐怖心と戦いながらも２場所目の奈良では復帰後初勝利も飾った。「奈良の１着は、まさかって感じでしたけど、ここ最近はいい感じになってる」と走るたびに復調の手ごたえを感じている。再び競輪祭の権利を獲得して、今度こそ出場する。それが今の目標だ。
　「可能性はゼロじゃないんで。そこは心の片隅に置いて。今は全てに感謝です」
　辛い時期を支えてくれた仲間とともに一歩ずつ復活の道を歩み続ける。

2020年1月28日更新

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