久米良選手徳島Ｓ級１班プロフィールスポット・インタビュー｜　当たる競輪（けいりん・KEIRIN）無料予想はエンジョイ

　昨年後期から明らかに差し脚は好調。11月松山の決勝は２位入線も失格となってしまったが、中割り鋭く伸びたレースは象徴的だった。それでも本人は「運がいいだけですよ」と言ってはばからない。
　「去年の２月伊東の落車で鎖骨が折れて、そこからスイッチが入った。４月ぐらいから自転車に乗り始めたときに練習方法、量も変えた。コロナで復帰が遅れたのもあって、ぶっ続けて練習できたし、その相乗効果でいいように回ってくれた感がある。回ってくれ過ぎてますけどね」
　落車する前は100点にも満たなかった競走得点が、現在は106点まで上がった。練習の成果をどうやってレースで出すか、そしてどうやって点数を上げるか。しっかり競輪に向き合うようになったことが現在の好調の要因には違いないが、どうやら理由はそれだけではないようだ。
　「３年ぐらい前に嫁が病気になったんです。結果的に大丈夫だったんですが、一歩間違えば命を落としかねなかった。それからですね。ずっと思ってたことがあったのか、『あなたにはやれることがいっぱいある』とか、すごいゲキを飛ばしてくるようになった」
　決定的だったのは「あなたには素質がない」の、ひと言だった。
　「『周りがいいように言ってるだけで、私が断言してあげる。あなたには素質がない。要領とかセンスでいける人間じゃないから練習したほうがいい』って。最初は素人が何言ってるんだって感じだったけど、自分でもわかってたから腹が立っただけだった。聞いてるうちにいいこと言うなと。それなら受け入れて、努力しようと思った」
　身近に島川将貴の存在があったことも大きかった。「アイツは叩き上げ。後輩だけど尊敬してるし、こいつと一緒に強くなりたい」。そう思えたことで、自分を知り、コツコツ積み上げていくことの大切さを学んだ。「10年遅かった」と久米は話すが、まだまだ発展途上。ここからの頑張り次第で目標とするＧ１出場も見えてくる。

2021年1月29日更新

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