• 岸和田競輪場第69回高松宮記念杯競輪6/14〜6/17

高松宮記念杯競輪

熾烈さを増す東西決戦

三谷竜生

三谷竜生

平原康多

平原康多

新田祐大

新田祐大

  •  第69回高松宮記念杯競輪が6月14日~17日の日程で開催される。決戦の舞台は2年連続となる岸和田競輪場。東西に分かれての勝ち上がり方式で、2日目に青龍賞、白虎賞が行われ、3日目に東日本、西日本の準決勝がそれぞれ2個レースずつ争われる。東西の激戦を勝ち抜いたベストナインが最終日の決勝戦で覇を競う。

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インタビュー

吉澤純平

吉澤純平

  • 奮い立った心

  •  近畿勢が絆の力を見せ付けたダービー。吉澤は脇本雄太の強さをまのあたりにし、心が奮い立った。「ダービーの決勝を見て、自分の先行力を上げたほうがいいかなと思いました」。気持ちを入れて臨んだ5月京王閣記念では決勝で関東勢を上位独占に導く力強い先行策を披露。スタイルを再確認して、大舞台でのリベンジを誓った。「(脇本に)先行で勝負したい気持ちもあるけどモガき合っても意味がない。基本はもっと力を上げて。(全日本の決勝で)近畿の結束に負けたんで、また宮杯で勝負したい」
     一次予選で終わったダービー。その教訓を生かし、宮杯は培った経験を総動員して挑む。「いざとなったら(ヨコも)やるしかない。何でもできないとダメ。(初日から)気持ちを出して走りたい」。関東の一翼を担う吉澤が、岸和田で縦横無尽に暴れ回る。

稲垣裕之

稲垣裕之

  • 強い近畿の一員として

  •  3月小倉の落車で肋軟骨を骨折。4月西武園記念から復帰したが、「練習ではイケるかなと思っても、競走に来るとまだまだ」と話すように、ここまでは思うような成績を残せずにいる。問題はレースに必要な感覚。練習での「タイム、スピードは変わってない」なら、残された時間でしっかりと立て直してくるはずだ。
     びわこ競輪場がなくなっても、近畿の宮杯という気持ちは強い。「特別な思いがあるのは事実」と稲垣も話す。
     「(全日本選抜、ダービーでの近畿勢の活躍は)すごく刺激になってる。早く自分もあの場所に行かないとって気持ちはあります。今までの経験上、焦ってもダメなんでね。じっくり、しっかり戻していきたい」

中村浩士

中村浩士

  • 不惑を迎え、さらに輝く

  •  今年は初戦の小倉F1で落車の不運に
    見舞われたが、その後は高いレベルで安
    定している。5月平塚ダービーは二次予
    選で敗退したが、動きは上々だった。
     「ダービーでは収穫があって、そこで感じたことを練習に反映させている。そのあとの記録会では自分のタイムも伸びていた。(40歳で)まだ手応えがある」
     続く同月名古屋記念は二次予選で落車。肋骨4本を骨折する大怪我を負ったが、直後の青森全プロは初日の優秀で3着に入った。「状態が状態だけど、走れるっていう収穫もあった。宮杯の頃には(怪我も)良くなっていると思う」。今大会は初日の東日本特選に南関からただひとり選ばれた。「ひとりでどう立ち振る舞えばいいのか。なにかチャンスを見出したい」。不惑を迎えて輝きを増す中村がタイトル奪取へ名乗りを上げる。

南修二

南修二

  • 上向く感覚はある

  •  さあ、待ちに待った地元のビッグレースだ。今年ここまで勝ち星こそ多くはないが、1月別府を完全V、2月高松記念、4月静岡では準V。そして、2月全日本選抜で3度、5月ダービーでも2度の確定板とビッグレースでも安定している。
     「(状態は)まずまずですね。でも、これからです。まだいい状態に上がって来そうな感覚はある」
     今年は全日本選抜、ダービーともに近畿勢から4名が決勝に進出。「自分もそこに加わりたい」。岸和田で開催されるG1戦で、さらにその気持ちを強くしている。「まずは万全の状態に仕上げて。いいレースがしたい」。他地区も恐れる近畿の結束力。そこに南が加われば、ラインの厚みはグッと増す。

武田豊樹

武田豊樹

  • 成果は実戦で出す

  •  3月ウィナーズカップを制したとはいえ、まだ骨盤骨折の影響はある。そんな武田にとって失格によるペナルティーとはいえ、1カ月の練習期間がとれたことは大きい。「練習はできたんで、あとは競走の感覚。それを函館(記念)で感じて、宮杯につなげたい」。先の全プロに競技で参加した武田はそう話した。
     「十分に時間があったので色々なことを試しながら。その成果? それはレースで結果が出てから。実戦を走るのが楽しみな感覚はある」
     5月は京王閣記念決勝、全プロ記念競輪で関東勢が鉄の結束を見せた。「頑張りたいですね、また」。そこに6月からは武田が帰ってくる。「宮杯というG1もすごく好きなんで」。G1、グランプリを初めて制した岸和田で華々しくG1復帰戦を飾る。

村上義弘

村上義弘

  • 他地区には渡せない

  •  「高松宮記念杯は地元地区というか、近畿のもの。そういう気持ちが近畿の選手にはあるんで、しっかりと守りたい」
     11年に廃止されるまでは、ずっとびわこで開催されていた高松宮記念杯。それだけに今シリーズにかける村上の思いは強い。
     「トレーニング方法を見直して、日本選手権(ダービー)までに強度を上げてみた。気持ちでやっていても、体がついてこない部分も多少あった。そういう疲労が蓄積した時に古傷(の痛み)が出るんで、日本選手権まではもってくれっていう思いだった」
     ダービーを着。「脇本、三谷は自力選手のツートップ」という、2人の後ろから準V。賞金を大きく加算して、来年のS級S班返り咲きを濃厚にしている。
     「(競輪界の)時代の変わり目のなかで、自分のやれることをしっかりとやっていく」

木暮安由

木暮安由

  • いつでも冷静に

  •  ビッグの優出こそないが、今年もハイレベルで安定している木暮。近況は平原康多の番手回りが目立っていたが、5月京王閣記念の準決を自力で突破。臨機応変にレースに対応し、きっちり結果を出している。それでも、「前半戦は目立つことができなかったので、後半戦は挽回したい」と現状に満足することはない。
     「安定はしていますね。自力を捨てたわけではなく、いつでも自力で走れる準備をしています。セッティングも煮詰まってきたし、あとはペダリングを意識して」
     昨年の競輪祭では、5度目となるG1を優出。周囲からのタイトル奪取の声が上がるが、「獲りたいと思うと空回りするので。チャンスがある時に獲れたら」と特別な意識はない。静かに牙を磨いて、絶好の瞬間を待つ。

古性優作

古性優作

  • 脚力を上げて大一番へ

  •  全プロ記念を着。初日はレースの流れを瞬時に読み切って番手飛び付き、力勝負をした最終日も見せ場はつくった。
     「(最終日は)負けるべく負けている。ああなってしまったら、もっとシビアに攻めないと。負けたら意味がない。脚がないなって感じることはずっとだと思う。レースで脚に余裕があると思うことは一生ない」
     スーパープロピスト賞では2段駆けの関東勢の前に屈した古性が、勝負に対する強いこだわりを見せて振り返った。近況はバック本数も増加。なんでもできる古性は、先行策での振り幅を大きくして、さらなるバリエーションアップに努めている。
     「脚力があれば展開とかも関係ない。そこを意識して恐れずやっていかないと。体の使い方も良くなっているし、(高松宮記念杯までに)状態は上がってくると思う」

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