• 大垣競輪場開設63周年記念水都大垣杯10/24〜10/27

後記 GⅢ 大垣 10/24

復活への大きな一歩

深谷知広

深谷知広

 久しぶりの優勝を飾った1深谷知広選手が、表彰式を終えファンの声援に応える。迫りくる9平原康多選手の猛追を振り切った1深谷選手がゴール線をトップで走り抜けた。

 昨年8月豊橋記念以来のV。一年以上遠ざかっていた優勝の味を思い出すように、深谷が言葉を選ぶ。
 「今年(優勝が)ないまま終わりそうだったんで…」
 まくり追い込みが届いた準決だったが、立ち遅れたことが響いて浅井康とそろっての優出には失敗。悔いを残した。
 「準決で後ろに迷惑を掛けてしまった。あのレースで決勝に乗ったんで最低優勝はしないとって思ってた」
 地元の竹内雄までもが、まさかの準決敗退。地元地区ながらもひとりで決勝に臨んだ深谷は、大きな期待と責任を一身に背負った。
 周回中は想定外の9番手。しかしながら、レースが早めに動き出し、めまぐるしくラインが入れ替わると、深谷は打鐘で単独の3番手を確保。願ってもないポジションを手に入れた。
 「落ち着いていい位置が取れた。あとは平原さんにだけかぶらないようにと思っていました」
 最終1センターでエンジンを点火。自らを信じて踏み上げると、あっさりと前団を飲み込んだが、後ろには平原が迫って来ていた。
 「あそこからならもつ自信があった。途中から平原さんが後ろにいましたよね。すごい威圧感だった」
 苦しい直線で最後の力を振り絞り、1年2カ月ぶりにファイナルのゴールを先頭で駆け抜けた。
 「競輪祭を優勝っていう目標で練習をしてきたんで、一歩近づいたと思います。これで次の豊橋に弾みがつきましたね」
 中部の仲間たち、そして名勝負を演じてきたライバル。なによりも多くのファンが待ち望んだ復活。深谷は15年のラストG1競輪祭へ加速し続ける。
 2着の平原は悔しさをにじませながらも、ライバルの復活には目を細める。
 「深谷はゴールまで加速していた感じです。抜きにいったけど、一歩目で厳しいかなと。深谷が強いと盛り上がるし、まだまだ自分も努力しないといけない」
 中割り断行も、小林は及ばすの3着。
 「深谷の後輪に接触して最後はスポークが折れちゃいました。あそこは外より内かなって思った」
 「みんな強いんで自分が行くしかないと思ったけど、やっぱり脚が違いますね」と、逃げた櫻井が記念初決勝で力の差を痛感する。

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 志智俊夫

 号砲と同時に友定が飛び出してスタートを取り、初手は原田―友定、平原―小林、櫻井―新山、藤木、山田、深谷の順で並ぶ。
 レースが動いたのは青板周回のバックから。まずは櫻井が早めに上昇して誘導の後ろに入ると、すぐに平原が、さらに赤板過ぎに原田が押さえていく。すると今度は、原田に続いた櫻井が打鐘を目がけてカマして先頭に立ち、そのまま先行態勢に入った。深谷は櫻井の動きに反応して上手く3番手をキープ。山田も慌てて4番手に追い上げるも、原田と併走になってしまう。櫻井が軽快に逃げるなか、1センターから深谷がスパート。一瞬にして前の2人を抜き去った。深谷が単独で抜け出る一方、後方からは平原が猛然と襲い掛かり、両者で直線勝負に。詰め寄る平原を振り切った深谷が、昨年8月の豊橋以来となる記念Vを遂げた。

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