• 熊本競輪場開設65周年記念火の国杯争奪戦10/10〜10/13

後記 GⅢ 熊本 10/10

最強タッグで武田豊

武田豊樹

武田豊樹

 7平原の仕掛けに乗った1武田選手が3度目の熊本記念制覇。8月サマーナイト、9月オールスターと落車が続いたが、相性のいいここから流れを好転させる。

 まさに3度目の正直だ。今シリーズは初日、2日目と平原と連係した武田だったが結果はともに2着。しかし迎えた決勝戦はしっかりと1着でファンの一番人気に応えた。「今日の1着は平原君に尽きる」。競輪界最強といっていいだろうコンビで最後もしっかりとワンツーで締めた。
 「ああいう形になったらワンツーという気持ちで走りました。平原君もゴールまで加速してたし、踏み切ってる感じで強いですね。彼はグランプリへ向けて一戦一戦勝負なのに、ああいう形を作る。今日は僕というより平原君のおかげ。すごいですね」
 函館サマーナイト、松戸オールスターと落車続き。復帰戦となった今シリーズも前検日に「まだ指の腱が痛い」と話すなど万全の状態とはいえなかった。それでも「走ってる以上はそこを言いたくない」とキッパリ。そして結果を残すのも武田の強さだ。このあとは函館記念を走って、今年最後のG1競輪祭を迎える。「今回は3回番手。準優は自力が鈍ってたし、そこが競輪祭までのテーマですね。落車で自転車もダメになって、今回も新車だったので、そこも色々修正して」。しっかりと課題をクリアして、再び平原と熱い走りを見せてくれるだろう。
 武田の優勝は平原の走りがあってこそ。「だいぶいい」と状態を口にするように、シリーズを通して力強い走りを見せた。
 「山賀さんの動きで行くタイミングが狂ったけど、どっちにしろ行くつもりだった。一本棒にしたほうがいいと思ったし、浅井に粘られないように思い切り行きました。あれで押し切ったら無敵です(笑)。ラインで決まってよかったです」
 齋藤がきっちりと関東コンビに食い下がり、3着に入線した。
 「2人(浅井、山賀)に脚を使わせて迷わせながら行く。あの作戦しかなかったし、作戦どおりに走ってくれました。僕も付いて行けたし、2コーナーで小波を作って仕事したでしょ。前の2人が強かったですね」
 浅井は腹を決めて踏み上げたが、山おろしで来た平原に出切られた時点で勝負あり。
 「もう逃げようと思ったんですけどね。アカンな、合わせれんかった」
 浅井ライン3番手から内を伸びた林だったが4着まで。
 「坂口のコースに先に入ってしまった。伸びたけど、欲を言えば3着までに入りたかったですね。でもシリーズをとおしていい状態をキープできてたと思います」
 浅井後位から外を踏んだ坂口。初めての記念決勝は6着に終わった。
 「相手が平原さんだから(浅井は)飛びつくかもと言ってたけど、平原さんのスピードがよかったですね。外が伸びるイメージだったので外を踏んだけど伸びなかったです」

Race Playback

レース展開4

レース経過

誘導員 : 島田竜二

 1番車を利した武田がスタートを制し、平原を迎え入れる。平原―武田に齋藤で前団。以下の隊列は山賀―渡邉、浅井―坂口―林で単騎の池田が続く。
 6番手の浅井は早めに上昇を開始して赤板で平原に併せ込むと、2角手前で押えて出てペースを落とす。浅井ラインに池田が続いて、山賀がその上を上昇するが坂口の横までで打鐘。先行態勢を取った浅井は、別線の動向をうかがいスローペース。7番手の平原が、4角からカマシ気味に仕掛けて最終回へ。
 浅井も合わせて踏むが、平原がスピードの違いで主導権を奪取。武田―齋藤まで出切り浅井は4番手。すかさず巻き返した山賀は不発でバックを通過。武田は逃げる平原との車間を切って、4角手前から踏み込んだ浅井に合わせて追い込む。平原に鋭く迫った武田が、ゴール前できっちり交わして優勝。2着に平原が残り、齋藤が3着に流れ込む。

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