• 函館競輪場開設65周年記念五稜郭杯争奪戦10/31〜11/3

後記 GⅢ 函館 10/31

故郷で貫禄勝ち

武田豊樹

武田豊樹

 バック手前でまくった1武田豊樹選手が、2菊地圭尚選手の追撃も振り切りⅤ。前回熊本に続き今年5度目の記念制覇を果たした。ファンの声援に手を振って応える1武田選手。

 「函館で優勝できて嬉しいですね」。生まれ故郷北海道での優勝に、武田の顔から笑みがこぼれた。
 前回熊本記念を制覇しての参戦。勢いそのままに、シリーズを席巻するかに思われたが、「ピリッとしていない」と初日、準決をあと一歩で勝ちきれず。しかし、決勝では奇襲のカマシを放った岩津にスイッチする好判断。最後は番手まくりを放って勝負あり。今年度最後の開催となった函館で王者の貫禄を示した。
 「ラインがあっての優勝です。(バック手前でまくったのは)地元の菊地君も付いてくれたし、その後ろに加藤君もいるんで考えて走ろうと。村上君もアクションを起こしたけど、山田君が出させなかった。彼がすごい強かったね。展開も早くて、最後は苦しかったけど、勝てて良かったです」
 これで記念を2場所連続で制覇。「重要なレース」と位置付けた函館を制して勢いも十分だ。次はいよいよ競輪祭。GP覇者として挑む最後の大舞台へ準備は整った。
 「これでいい流れで競輪祭に臨めますね。また、次に向けて頑張ります」
 「もったいない」。菊地はレースを終えて開口一番にこう振り返った。地元制覇まであと一歩と迫ったが、結果は昨年と同様に2着。今年も悲願は叶わず。
 「武田さんが強かった。落ち着いてゴール前勝負と思ったけど、さらに加速していきましたね。周りに言われていた赤いパンツの意味がわかりました。また来年の地元記念に向けて頑張ります」
 無傷で決勝に駒を進めた村上だったが、決勝は山田を叩けず7着。しかし、力を出し切る競走でファンを沸かせた。
 「出れなかったですね。初手はどこでもよかったし、後ろ攻めだったら勝てたという訳でもない。常にベストを尽くして、一戦一戦頑張るだけ」
 一発を狙った岩津裕介だったが、武田に屈して8着。
 「(橋本が離れて)1人だったですね。橋本君は付いてきてると思ってたので、どちらか優勝できれば御の字と思ってたけど。理想を言うならもう半周短かければ。最終バックで武田さんと村上さんが併走になってるくらいで。距離が長かった。武田さんは番手に入ってると思ってたんで、ペースで踏めば抵抗できるかと思ったけど、武田さんはもう踏んでた」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 荒澤貴史

 出渋ったスタートとなったが、けん制を嫌った村上、笠松が誘導員を追って中近ラインが前受け。周回を村上―稲川―笠松―岩津―橋本―山田―武田―菊地―加藤の並びで重ねる。
 武田を連れた山田は青板の1センターから早々と上昇を開始。村上の押さえてバックで誘導員を下ろすとペースをスローに落とす。下げた村上は1センターから東日本ラインを叩きに行くが、山田も一気に踏み上げると打鐘から両者で激しい主導権争いとなる。岩津は打鐘の4コーナーから巻き返しに行くが橋本が離れてしまう。村上が力尽きると、単騎で出切った岩津に武田がスイッチ。そこからすかさず自力に転じる。地元で記念初優勝を狙った菊地の逆転はならず。武田が押し切って今年5度目の記念優勝を飾った。打鐘で笠松に割り込まれた加藤だったが1コーナーから内をすくって前2人に続いた。

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