• 函館競輪場開設66周年記念五稜郭杯争奪戦7/23〜7/26

後記 GⅢ 函館 07/23

記録塗り替え最速V

新山響平

新山響平

 1菊地圭尚選手、3木暮安由選手の追い込みを振り切った8新山響平選手。スター候補ぞろいの107期で、記念優勝一番乗りを果たし先輩たちから胴上げの祝福を受ける。

 「作戦はあんまり浮かばなかったし、どこを取ってもと思って前受けになった」
 昨年のデビューから1年余りの新山は、歴戦の顔ぶれにも臆せず前受けを選択。シンプルに自らのポテンシャルを信じた“超特急”は、ゴールまで止まることはなかった。4日制の記念ではデビュー最速となる1年20日での優勝を飾った。
 「今日は全身を使って踏めたのが良かったです。まさか勝てるとは思ってなくて、(菊地)圭尚さんに勝ってもらえればくらいの気持ちでいたんですけど」
 早めに上昇を始めた木暮を突っ張ると、あとは別線をクギづけ。G1決勝でもしのぎを削っている同型に反撃の隙を与えず、最終ホーム目がけてフルアクセルで踏み込んだ。
 「早めに押さえに来ると思ったんで、それなら1回出させてからと。そしたら(木暮が)引いてくれた」
 中団以降は新山のダッシュに置かれて圏外。最終バックでは新山を含め、地元の菊地、木暮、山下の4人に優勝争いは絞られたが、結果は新山の独壇場。番手すんなりの菊地、脚を溜めた木暮に影を踏ませず逃走劇を完結させた。
 「(デビューから)1年たっちゃいましたからね。でも意外に早く優勝できた。これで終わらないように。まだ、なんにも成し遂げてないんで、しっかりとタイトルを獲って頑張りたい」
 9月の共同通信社杯、そして10月には初めてのG1、寬仁親王牌と秋には大きな舞台が新山を待っている。
 「(G1は)走ってないし、いまでも憧れの舞台です。それまでしっかり練習を怠らないように。まだ、これがスタートにすぎない。みんなで切磋琢磨して、北でG1を獲れるように」
 記念Vはあくまでスタート地点。北の夢を乗せた“シンザン・エクスプレス”が、これからも輪界の歴史を塗り替えていく。
 新山とシリーズ3度目の連係となった菊地は、またしても2着。地元記念は3年連続で準Vに終わった。
 「もちろんG1はあるけど、去年からここで優勝するつもりでやってきた。2年間悔しい思いもしているし、そのぶんもと思ってたんですけど…。このままのやり方ではダメ。考え直します。せっかく強い選手が出てきたのに、チャンスをモノにできないと。トラウマにだけはならないように。来年は必ず1着で」
 3番手を労せずに手に入れた木暮だったが、そのままのポジションの3着入線。
 「圭尚さんが追い込んで、自分は内か外かって思っていたんですけど。(新山が)強かった、認めるしかない」
 打鐘で近藤にすくわれた川村は、反撃のタイミングを逸して見せ場なく敗れた。
 「近藤君が後ろのままっていうのは意外でした。近藤君をアテにしすぎました。まさか動かないとは…。自分が悪いですね、もっと先に動いていかないと」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 野木義規

 号砲で勢い良く新山が飛び出してスタートを取る。新山には菊地が付けて北日本コンビが前受け、中団には川村-三谷の近畿コンビ、近藤-成清の千葉コンビが収まり、木暮-山下の関東コンビが後攻め。単騎の竹内が最後方の形で並びは落ち着く。
 青板周回のバック前から木暮が上昇するが、前受けの新山は突っ張る素振りを見せて、これを阻む。怯んだ木暮が3番手に入り、川村は5番手に下げる。新山は後ろを何度も振り返って、後続の動きをけん制。打鐘で内をすくった近藤が川村をどかして5番手を奪う。打鐘過ぎの4コーナーから新山がスパート。菊地、木暮の順で続くが、5番手の近藤は大きく車間が開いてしまい、なかなか前との差が詰まらない。軽快に飛ばした新山が強じんな末脚で菊地の追撃を振り切り、記念初制覇を果たした。地元の菊地は2着で、木暮がそのまま3着に流れ込んだ。

ページトップへ