• 岐阜競輪場開設99周年記念長良川鵜飼カップ9/1〜9/4

後記 GⅢ 岐阜 09/01

確信のタイヤ差V

武田豊樹

武田豊樹

 7吉田拓矢選手をタイヤ差交わして、今年初めてグレードレースを制覇した2武田豊樹選手。同県の後輩と上位独占を果たし、表彰式では笑顔でファンの声援に応える。

 最終ホーム手前から満を持して仕掛けた吉田に、自転車を並べたところがゴール。スローVTRでも微妙な判定だったが、とらえていた武田には確信があった。
 「抜いてたね。簡単じゃないけど。(吉田が)まくりに構えた時点で残してあげたかった。位置を取って(吉田が)まくってなら、ゴール勝負と思ってましたから。やっぱりトレーニングに励んでないとまくりにもちぎれるし、カバーも、車間調整もできない」
 落車での幕開けとなった16年。苦しいシーズンを強いられながらも、28度目のG3制覇を遂げた。
 「みんないろいろあるし、その繰り返しですね」
 南、武井、競り合う両者を連れて中井が主導権。絶好位を手に入れた吉田は、前団のもつれをじっと見極め最終ホーム手前から発進。バックでは3番手以下をちぎっていたが、山本のまくりが襲い掛かる。好スピードで迫り来る山本に、武田は冷静沈着な対処。直線の入り口で外にひと振り。緻密な仕事が吉田と初めてのワンツーを結実させた。
 「こういう後輩も出てきてくれて感謝です。しっかり競輪っていうものを伝えて、G1でも勝てる選手になって欲しい。ただもう次。吉田も次だと思うし、やるべきことがたくさんある」
 グレードレースでは、遅まきながら今年初V。それでも輪界の歴史を作り上げてきた武田に、焦りは感じられない。
 吉田は武田とのワンツーにホッと一息ついて、汗をぬぐう。
 「前(中井)が確実に駆けるのがわかっていたんで、自分は緩んでいたところを行こうって思った。今日はレース前から落ち着いていました。武田さんと共倒れにならないようにと思っていた。結果、武田さんが優勝だったし、初めてのワンツーでよかったです」
 茨城勢を飲み込むかにも思われた山本のまくりだったが、武田のけん制で直線では勢いが鈍り3着まで。
 「自分でも行ったと思ったんですけど…。武田さんにうまいことやられました。あとは組み立てですね。最低でも中団は取らないと」
 周囲中から茨城勢後位にいた渡部だったが、踏み出しで遅れて万事休す。
 「吉田君が2回くらい行きかけてやめた…。あれじゃ無理ですね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 吉村和之

 山本が号砲と同時に勢い良く出て、スタートを取る。山本には藤木が付けて前受け、単騎の田中が3番手、吉田―武田が中団に入り、単騎の渡部が続く。後攻めの中井の後位は初手から競り合い。南と武井が内、外を何度か入れ替わりながら周回を重ねる。
 青板周回のバックから中井が上昇。誘導員を交わして赤板前から先行態勢に。中井に合わせて中団から動いた吉田が前の競り合いを見ながら4番手を確保。単騎の渡部、田中が茨城コンビを追いかけ、山本は8番手の態勢で打鐘を通過する。中井がピッチを上げるなか、吉田が最終ホーム手前からスパート。2コーナーで中井をまくり切る。武田はピッタリ続くが、単騎の渡部は離れてしまう。山本が外を懸命にまくり上げて茨城コンビに迫るも、これを確認した武田が4コーナーで軽く振って追い込み、ゴール寸前で粘る吉田を交わして優勝を飾った。

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