荒井崇が追い込みV
優秀戦でも壮絶な争いを演じた新田と深谷が人気を二分。両者の力勝負に期待が集まったが、優勝をかっさらったのは荒井だった。
「吉澤だろうが、深谷だろうが先行するラインに付いていくのが第一。ラッキーだった。後ろを見てからなんて対応できないし、あそこしか狙ってなかった。後ろが来てもしょうがないという気持ちで。自分のタイミングで前に踏んだだけ」
前期の途中から自力に戻して以降動きは軽快だった。それでも「こんなに上手くいっていいのかなって思ってた。(自力に)戻したからといって、こんなにすぐよくなると思ってなかった」と本人の中でも試行錯誤を続けた上での結果だった。
一時は競走得点も100点を切るなど不調に苦しんだが、この優勝で通算4度目の優勝を目指す、来月地元武雄記念へも弾みがついた。
「武雄(記念)に向けてやってきたことがここで出た。(来年の)競輪祭にも出れるしね、今年は出れんけん。でも今日はつぶれるまで飲んでいいかな」
最後はいつもの“荒井節”で豪快に笑い飛ばし、上のステージでの活躍を誓った。
濱田は絶好の3番手だったが、一瞬の判断の迷いによって2着に終わった。
「最後はちょっと入るのが…。振り返ってみると遅かったですね。もっとスッと入れてればいい勝負だった。でも納得はしてます。上出来だと思います」
3着には新田が不発とみるや、2センターから内に進路を取った山田が入った。
「終始ピリピリした緊張感がありました。新田君はいつ行くか分からないし。最後は突っ込みが甘かったけど、3着まで届いたんで満足です」
新田は深谷を意識しすぎ、レースの組み立てを誤った。
「完全に組み立てを失敗した。深谷君を警戒しすぎたのと、相手(吉澤)の動きを過信したというか、あそこまで早くペースを上げていくとは思ってなかった」
3日間好勝負を演じてきた深谷は、またしても決勝でムラのある面を見せ「中途半端、すべてが中途半端な結果になってしまいました」と反省の弁を口にした。
新田、深谷相手に先行勝負の吉澤はシンガリ負け。
「みんないつ飛んでくるか分からなくて意識しすぎた。いかれたくないという思いが強くて難しかった」