浅井康が大会連覇
任せた深谷が最終ホームで中川を叩き切ったところで勝負の大勢は決していた。3番手で立て直し反撃を図る中川を浅井が巧みにけん制すると、勝機を逃さず当所記念連覇を飾った。
「深谷のおかげ。去年も深谷、金子(貴志)さんのおかげなんでね。今日の深谷はめっちゃかかってた。初日とは人が違った」
イギリス、グラスゴーで開催されたワールドカップから8日に帰国。その後は地区プロに出場するなど、直前はタイトなスケジュールだった。決して万全の状態で入ったわけではないが、「初日に比べて感触は上がってた。しっかり修正できてたし収穫があった」。4日間で勝てる状態に仕上げていくのも浅井の強さだ。
次は24日から小倉競輪場で開催される競輪祭。「深谷も競輪祭に向けていいレースができたし、自分もしっかりとつけ切れていい予行演習ができた。中部で盛り上げていきたいですね」。浅井のグランプリ出場はほぼ確定。今シリーズでも連係した深谷に吉田敏洋、竹内雄作と賞金ランク上位にひしめく中部の仲間と4日間を戦い抜く。
2着に突っ込んだのは澤田。前の2人がそろって外に持ち出すと空いた中のコースを鋭く割った。
「中川君が前々に攻めてくれた。最後は浅井の内に行きたかったけど締められたんで。それでも、よくて2着でしょうね。脚の状態もよかったし、あの位置では十分ですね」
勝ちに行くなら澤田のコースだっただろう。しかし、荒井は外と決めていた。
「(勝つなら)内に行けって言うやろうね。でも、そんな失礼なことはできない。誠一郎があんだけ行って、飛びついてくれてるのに、そんなことはできんです。脚さえあれば外でもぶち抜いてる。悔しいけどね。全部、深谷のせいって書いといてください(笑)」
深谷は全開で合わせにかかる中川をホームで豪快に叩き切った。さすがに最後は力尽きたが、競輪祭に向けて戦える手応えはつかんだようだ。
「(出切れるかどうかの勝負だし)思いっきり踏みました。最近のなかでもカマシで一番手応えがあったし、(走りながら)自分の中でもすげえと思った。あれで最後まで持つのが外国人だけどキツかった。でも仕上がったっす」
深谷を合わせられなかった中川は悔しさを隠せない。
「手応えがあったけど、あれで行かれてるんで完全に力負け。情けない」
人気の平原はまくり不発。展開のアヤもあったが、自分に厳しく敗因を自己分析する。
「ポイント、ポイントでスピードに乗せられなかった。(ホームで)深谷目がけて行きたかったけど、行けなかった自分の力負け。競輪祭までに課題がある。今日はダメだったけど、競輪祭につなげたい」