小松崎大が復活のⅤ
決勝前、成田の一言に小松崎の心は奮い立った。
「成田さんに『(2人とも)北日本を代表する自力型なんだから、主導権だけは譲るな』と気合を入れてもらいました。評価してもらえているんだなと。悩んだりもあったけど、評価してくれている人がいて、間違っていなかったと思いました」
決勝は絆を再確認した北日本勢が躍動した。前受けの新山が気迫の先行策。番手を回った小松崎は「響平のことを信じて後輪しか見ていなかった」と仲間を信頼した。そして、2センターから番手まくりで勝利。昨年の夏ごろからのスランプを乗り越えて、見事記念初Ⅴを手にした。
「響平もすごい気持ちが入っていましたね。(後ろの状況は)全然わからなかったです。こんなに恵まれるとは思っていなかったですね。がむしゃらに突っ走ってきたので、(ここまでは)短かったり、長かったりですね」
このVをきっかけに反撃を開始する。美酒に酔いしれることなく、さらに上を目指す。
「もっと、もっと結果を出さないといけないので。北日本の核の一部として、頑張ります」
成田は小松崎に続き稲垣と2着同着。優勝こそ逃したが、北日本勢の精神的支柱を担った。
「前の2人に付いていっただけで、自分は何もしてませんよ。付いていて感じは良かったです。力があればしっかり(ワンツーが)決まっていたと思うけど。同着なんで最低限の結果ですね」
竹内との中団争いを制した稲垣は、内のコースを最後まで諦めずに踏み込んだ。
「新山君の先行意欲がすごかったです。モガき合っても意味はないと思って(4番手を取りにいった)。敵ながら、震災から6年目で東北勢の意気込みが伝わってきました。僕も負けないように走ったんですけど、何とか2着が精いっぱいでした」
新山は気迫あふれる先行策を披露。小松崎の優勝に貢献した。
「全部、突っ張ろうと思ってました。中団争いになっているのは分かったし、内だけ気をつけてました。長い距離を踏んでホームからは全開だったのできつかったです」