深谷知の末脚が爆発
新山の上昇に合わせて動いた深谷は上手く4番手を確保。主導権を握るであろうラインを射程圏に収めたかと思ったが、そこを脇本がカマして出ると、ラスト1周で一気にペースが上がった。「1回(動いて)脚を使ってるのもあって、けっこう道中キツくて1コーナーが自分のなかで一杯だった」と振り返るが、そのハイスピードにも動じることはなかった。「そこからはフォームとかうまく切り替えられた。収穫ですね」。2センター、6番手から外に持ち出すと、前団をゴボウ抜きにした。
上がりタイムは準決勝で原田が記録した10秒6のバンクレコードタイ。「(10秒)6となると5を出したかった」と悔しがるが、その表情には確かな手ごたえと自信が垣間見えた。
「(競技も含め)続いてレースを走ってることがプラスになっている。全部オールスターに向けて考えてやってることなので。(今回から使う)フレームもいい方に出てる。いいところが出てるのは出てるし、あとは乗り方だと思う」
好メンバーがそろった決勝戦を制し、11日から開幕するオールスターへ最高の弾みをつけた。「(ドリームレースは)グランプリの次に重いレース。しっかり結果を出したい」。初日のドリームレースから深谷が豪快な走りで魅せる。
脇本がカマして伊勢崎は絶好の番手回り。記念初優勝はもうすぐ手の届くところまで来ていたが、深谷のスピードが違いすぎた。
「ムリですね。目一杯踏んだもん。優勝かと思ったけど…。俺も気持ち早く出て行けばだけど、ワッキーも頑張ってた。影が見えたから踏んだけど、(深谷は)伸びるコースだった」
カマした脇本は3着。ドンピシャのタイミングで仕掛けたが、深谷が強すぎた。
「深谷が4番手だと(まくりは)届かないので、腹をくくって先行しようと。新山を中団に入れられたし、理想の展開でしたけどね。最後は末を欠いた。バンクレコード(タイ記録)はさすがに(勝てない)」
新山マークの山崎は4着に終わった。
「(ラインの)みんなにチャンスがあったと思う。最後コースは見えてたけど、響平に当たるのもね。深谷は響平が浮いてる、そこを目がけて来ましたね」