• 千葉競輪場開設68周年記念滝澤正光杯10/14〜10/17

後記 GⅢ 千葉 10/14

最後の記念覇者は佐藤博

佐藤博紀

佐藤博紀

 ゴール前勝負を制した8佐藤選手が、S級初Vを記念開催でゲット。ガッツポーズでファンの声援に応える。

 500バンクとして最後の千葉記念。まくり切った山中と、その後ろから迫る佐藤とでゴール線は横並び。“最後の戦い”にふさわしい白熱のゴール前勝負は、僅かに交わした佐藤に軍配が上がった。
 「どこかいけるところからいって。ダメならしょうがないと。山中君の方が勢いがあったので、外だし届いているかわからなかったです。特別競輪のようなメンバーだし、信じられないですね」
 相手は4車で結束した地元勢に、GP覇者の村上、記念100V目を狙う神山など強豪ぞろい。それでも、臆せず立ち回って驚きのV。3連単20万円の高配当を演出した。さらに、激戦の中で収穫も得た。
 「スタートで一斉に出たら、前に村上さんがいて。半分任せたみたいになってしまったんですけど、大先輩(村上)の背中を見て走って、勉強になりましたね。グランプリに乗る人は走り方が違う。一人でも積極的に動かないと。あのくらいの気迫はなかったですし、見習うべきですね」
 S級初制覇をまさかの記念開催で奪取。しかし、おごることなく先を見据える。
 「このスタイルで調子がよくなったので、このままいきたいと思います。まだF1も優勝していないですし、そこが引っかかっているので。一からまた頑張ります」
 勝負に徹した山中だったが、最後の千葉記念を笑顔で飾れず。
 「お客さんが求めていた結果とは違ったかもしれません。わがままを言わせてもらって勝負したくて。もうどうだったかは覚えてません。とにかく出切れるようにと思ってました」
 中村が3着に突っ込む。こちらもVこそ逃したが、精神的支柱として地元勢をきっちり束ねた。
 「山中は山中の走りをしたし、みんな出し切って負けたので。自分たちの力が足りなかった。また次に向かう糧にしたいです」
 5着の村上は、単騎ながら力勝負で見せ場をメイクした。
 「できることをやった。いい位置をとって、自分の中で最高の展開にもっていったけど。あとは脚ですね。また出直してきます」
 山中に離れた海老根は「情けない。離れてしまって。付いていければ、みんなにチャンスがあったのに…」とガックリ肩を落とす。

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 江守昇

 号砲で志村が出かけるが、内枠を利した中村が好ダッシュで前を取りに行く。これで山中―海老根―中村―和田の地元勢が前団。以下は志村、長島―神山、村上、佐藤となって周回を重ねる。
 青板2角で村上が動き、3角で早々と前団まで上がる。佐藤、志村は村上の動きに続いて赤板。結局、山中は車を引く。これで正攻法の位置に入った村上を、長島が打鐘で押さえる。村上、佐藤、志村が3番手以下を占め、山中は6番手。2角で山中が渾身の力でまくりに出るが、同時に村上もスパート。3角で栃木勢をまくり切った村上を、2センターで山中がねじ伏せて先頭に立つが、海老根以下は踏み出しで離れていた。懸命に押し切りを図る山中を、すんなり切り替え追った佐藤がゴール寸前でズブリ。

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