• 武雄競輪場開設68周年記念大楠賞争奪戦4/12〜4/15

後記 GⅢ 武雄 04/12

山田英が地元戦を制す

山田英明

山田英明

 地元記念で主役の座を全う。悲願だったVを勝ち取った山田英明選手は、感無量の表情で両手を突き上げた。

 山田がついに地元で男になった。初日からメーンの12Rに抜てきされた今シリーズ。「やっぱりモチベーションが違う。周りも意識してくれるし。今までは荒井(崇博)さんがメイン。そのなかで僕は結果がついてきてなかったんで」。準決勝まで3日間、12Rを走り続けると、8度目の挑戦で地元記念初優出。迎えた決勝戦でも主役の座は譲らなかった。
 「松川君の気持ちもすごく嬉しかったし、園田さんが3番手をしっかり固めてくれると信じてたので走りやすかった。あとは展開でしっかり判断していこうと思ってました」
 勝ち上がりで2日間、番手を回った経験が決勝戦でも生きた。松川が最終ホームで阿部を叩くと、後ろの動きを冷静に確認して3コーナーから踏み込んだ。
 「2回目見たときに村上さんが迫ってたので腹をくくって行った。出し惜しみせずに行って、あとは2着でも3着でもいいと思ってました。ラインのおかげですね。自力じゃなかなか。ありがたいです。今回は4日間、12Rにしてもらって、そのなかで勝てたのは嬉しい。期待に応えられれば道が開けると思ってたので」
 来月1日から開幕する平塚ダービーに向けて、ムードは最高潮。「ダービーは違う緊張感だと思うし、しっかり気持ちを切り替えて調整していきます」。喜びにひたることなく次の目標に向かって走りはじめる。
 最終ホームで園田と村上がからむと、阿部マークの小松崎が山田後位にスイッチ。村上との併走も制して2着に食い込んだ。
 「(阿部が)すごい。気持ちが強いですね。あのメンバーで主導権を獲るのはなかなか難しい。簡単そうに見えますけどね。拓真の頑張りに尽きます。それだけですね」
 村上にさばかれ後方になった園田だったが3コーナーから内を盛り返して3着に。
 「ホームで村上さんが構えてるのが見えたので、俺のところだろうなと。そこからは『ヒデ(山田)抜かれないでくれ』と思いながら走ってました。お客さんには迷惑をかけたけど、とりあえずヒデが勝ってくれてよかったです。俺のせいで抜かれたら申し訳ないので」
 九州の先頭という大役を務めあげた松川は「合わされた感じだったけど、あそこは気持ちで出切った。ヒデさんの優勝でよかったです」と山田の優勝を手放しで喜んだ。

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 好永晃

 和田―山賀が前で構えて、以下の隊列は村上―坂口、松川―山田―園田、阿部―小松崎。 上昇した阿部が赤板手前で松川に併せると、3番手から村上が動いて誘導を降ろす。九州勢を警戒しながら、阿部がその上を踏んで先行態勢。しかしながら、松川も打鐘で巻き返し最終ホームで主導権を奪う。松川に山田が続くが、園田は村上に阻まれて連結を外す。その間に小松崎が山田後位にスイッチ。2角からまくった村上は3番手で小松崎と絡んでバックを迎える。逃げる松川との車間を詰めながら山田が番手から出る。村上は小松崎に張られていっぱい。園田が内を進出して直線へ。抜け出した山田が、そのまま先頭でゴールを駆け抜けて地元V。小松崎が2着に流れ込む。インを伸びた園田が3着。

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