山田英が地元戦を制す
山田がついに地元で男になった。初日からメーンの12Rに抜てきされた今シリーズ。「やっぱりモチベーションが違う。周りも意識してくれるし。今までは荒井(崇博)さんがメイン。そのなかで僕は結果がついてきてなかったんで」。準決勝まで3日間、12Rを走り続けると、8度目の挑戦で地元記念初優出。迎えた決勝戦でも主役の座は譲らなかった。
「松川君の気持ちもすごく嬉しかったし、園田さんが3番手をしっかり固めてくれると信じてたので走りやすかった。あとは展開でしっかり判断していこうと思ってました」
勝ち上がりで2日間、番手を回った経験が決勝戦でも生きた。松川が最終ホームで阿部を叩くと、後ろの動きを冷静に確認して3コーナーから踏み込んだ。
「2回目見たときに村上さんが迫ってたので腹をくくって行った。出し惜しみせずに行って、あとは2着でも3着でもいいと思ってました。ラインのおかげですね。自力じゃなかなか。ありがたいです。今回は4日間、12Rにしてもらって、そのなかで勝てたのは嬉しい。期待に応えられれば道が開けると思ってたので」
来月1日から開幕する平塚ダービーに向けて、ムードは最高潮。「ダービーは違う緊張感だと思うし、しっかり気持ちを切り替えて調整していきます」。喜びにひたることなく次の目標に向かって走りはじめる。
最終ホームで園田と村上がからむと、阿部マークの小松崎が山田後位にスイッチ。村上との併走も制して2着に食い込んだ。
「(阿部が)すごい。気持ちが強いですね。あのメンバーで主導権を獲るのはなかなか難しい。簡単そうに見えますけどね。拓真の頑張りに尽きます。それだけですね」
村上にさばかれ後方になった園田だったが3コーナーから内を盛り返して3着に。
「ホームで村上さんが構えてるのが見えたので、俺のところだろうなと。そこからは『ヒデ(山田)抜かれないでくれ』と思いながら走ってました。お客さんには迷惑をかけたけど、とりあえずヒデが勝ってくれてよかったです。俺のせいで抜かれたら申し訳ないので」
九州の先頭という大役を務めあげた松川は「合わされた感じだったけど、あそこは気持ちで出切った。ヒデさんの優勝でよかったです」と山田の優勝を手放しで喜んだ。