関東が結束力を誇示
前回の京王閣記念を完全V。1月の立川記念以来、今年2度目の優勝でようやく軌道に乗り始めた平原が、ラインの結束力で巡ってきたチャンスをモノにした。
「(吉澤)純平にスイッチが入っちゃった。すごい力を見せつけたレースだった」
京王閣でも平原、木暮を付けて敢然と風を切った吉澤に、迷いはなかった。吉澤がそのまま徐々にペースを上げると古性が打鐘の2センターから襲い掛かる。
「結果的に浅井の絶好のまくりごろになって、どの辺まで引きつけてっていう感じだった。ちょっと引きつけすぎたかなと」
最終1角で古性を振って間合いを取ると、今度は浅井が好スピードでまくって来る。「(番手から)出る予定がなかった」と、ギリギリの判断を迫られた平原は、わずかに浅井に出られながらも、番手まくりで瞬時に加速。合わせ切って先頭でゴールを駆け抜けた。
「出る予定がなかったぶん、テンポがズレた。でも、そこから踏み勝てたんでよかった。武田(豊樹)さんは(スーパープロピストレーサー賞の)勝率がすごい高いイメージがある。今回はいなかったんで関東で引き継ぎたかった」
スーパープロピストレーサー賞を4度制している武田が、今シリーズはいない。武田不在を埋める関東勢の奮闘を木暮とのワンツーという形で結実させた。
「高松宮記念杯に向けて気持ちが入っているのが出たんだと思う」
関東からは誰一人決勝に進むことができなかったダービーでは、近畿の“お家芸”、ラインの競輪をまざまざと見せつけられた。その悔しさを胸に平原が、6月の高松宮記念杯に照準を絞っている。
古性に押し込められた木暮だったが、冷静に対処して2着。
「ラインの役割分担が決まっているんで、それをしっかりやれた」
浅井のまくりに乗った吉田は、直線で外を伸びるも3着まで。
「浅井が強かった。タラればだけど、平原じゃなければまくってましたね。俺もよく付いていった」
一度は平原よりも前に出た浅井だったが、合わされて5着。
「自力を出していいレースはできた。吉田さんも自力があるので、それ以上のことができるか、しっかり仕掛け切るかだった」