• 高知競輪場第34回共同通信社杯競輪9/14〜9/17

後記 GⅡ 高知 09/14

若手に立ちはだかる

 打鐘では3番手の太田が前団との車間を大きく空けて、予想だにしない展開でレースが流れる。最終ホーム手前では太田の斜行(失格)で村上が落車に見舞われ、太田も車体故障でズルズルと後退。そのなかで平原はあくまで本能のまま、自らの身体を委ねた。
 「(作戦は)まったく考えないで、体が反応するようにと」
 最終2角で山崎が郡司をとらえると、遅れ気味に山田が続く。郡司の飛び付きは中途半端に終わったが、清水が郡司をキメながら山田の内を突く。それを見て平原は、直線で外のコースに進路を取った。
 「ゴール線にかけても伸びていたんでイケるかなって感じでした」
 ビッグ初制覇へまっしぐらの清水をとらえてゴール。叫ばれる世代交代に待ったをかけ、若手の壁として大きく立ちはだかった。
 「(初日が)あまりにも情けなかったんで、修正しました。あのままではまずいと思ったんで」
 オール予選の初日で、まさかの4着スタート。あとがない二次予選Bから仕切り直して、日に日に調子を上げていった。
 「いろいろ試行錯誤して、失敗の繰り返しだったんですけど。そんななかで結果がひとつ残せた」
 深谷知、脇本雄…、そしてさらなる若い世代。新たなライバルの出現で変わりゆく競輪のスタイルとトレンド。その流れに敏感に反応しながら、変化を続ける。その向上心こそが平原の最大の強みだ。
 「すぐに寬仁親王牌がある。そこでも勝つことを目指していく」
 優勝賞金を加算して、三谷竜、脇本に次ぐ獲得賞金3位にランクアップ。賞金での年末のグランプリ出場権をほぼ手中に収めながらも、平原の目はすでにG1、寬仁親王牌を向いている。
 目標の太田を失ったものの、前々に攻めた清水が唇をかむ。
 「めっちゃ悔しいですね。獲ったと思いました。山田さんの内に入って、前に出た時にアッと思ったけど…。いやぁ、夢を見た」
 平原マークの和田が最終4角から内に入ると、浅井は平原を追いかける形で外を踏んで3着。
 「いろいろアクシデントがあった。でも、ゴール勝負できたのは良かった。伸びもだいぶ良かったので。あとは先行してないぶんの自信がないだけ」

Race Playback

レース経過

誘導員 : 濱口健二

 山崎―山田、平原―和田、浅井、村上、太田―清水、郡司から赤板で村上から動く。2角で村上の正攻法へと変わり、さらに郡司が村上の前に入る。3番手となった太田はペースを落とし、引いていく山崎をけん制の後、打鐘過ぎ3角から発進。郡司も4角で誘導を交わしてペースを上げる。太田は一気に郡司を叩かず、ホームでその後ろに割り込もうとして村上と接触。村上は落車し、太田も後退する。これで郡司が逃がされ、その後位に清水、平原で続く形に。そこへ山崎が1角まくりで襲う。山崎は2角過ぎに主導権を奪い、踏み出しで離れながら盛り返した山田が続く。このまま直線に入り、九州勢後位にスイッチした清水が鋭く中を割って抜け出すが、外に車を持ち出した平原が強襲。逆転でVを飾った。

ページトップへ